週末、相方さんと池袋の東武百貨店に行ったときの光景。
買いモノの一休みで、休憩コーナーに一服しに行くとコーナーの一角におじいさんが一人座っていた。
ボクが一服し終わるころにそこにおばあさんがあらわれた。
おばあさんがお店を観て回っている間におじいさんは休憩をとっていたのだろう。
おじいさん、おばあさんともに70代のご隠居生活を楽しんでいるような感じだ。
おばあさんが椅子に座るとこの二人の会話が聞こえてきた。
おばあさん「この後、ユニクロでちょっとしたものを買ったら帰りましょうか?」
おじいさん「うん。」
おばあさん「夜はどうしましょうかねぇ。ふきのとうもあるし、天ぷらにでもしましょうか?」
おじいさん「うん。」
嗚呼、なんか幸せな一コマだなぁ~
と、この二人の会話を聞きながら、たいした内容ではないのだが、淡々としつつ温かみを感じるやりとりが妙に心に染み入った。
ふたりともこぎれいな身支度をしている。
あの年代のかたからすると、百貨店で買い物をいうのはちょっとしたことなのだろうか?
多分、東武沿線か池袋周辺で暮らしているのか?
おばあさん「今日はちょっとおめかししてデパートにでもいきましょうか?」
おじいさん「うん。」
なんか、勝手にお出かけ前のお二人の会話を妄想して、微笑ましぃ~なぁ~とこの二人の様子を眺めていた。
ものの数秒の会話だが、この中に今時とお二人の年代ならではキーワードが含まれている。
「ユニクロ」というキーワードには最初違和感を感じたのだ。
安いっちゃ安いけど、この年代の方が着るようなものってあるんだっけ?若い人向けというステレオタイプな考えを勝手に持っていた自分にハッとしたが、今時のご老人はユニクロでも問題はないのかもしれない。
むしろ、ユニクロに置いてる服のほうが普段は動きやすいのかもと。
また、「ふきのとう」はこの年代ならではの侘び寂びというか。
天ぷらって意外と手間がかかるような感じだが、それを手間と思わずふきのとうをさらっと天ぷらに揚げて食すというところに、この年代ならではの手間のかけ方というか、心遣いを感じたのだ。
その昔、チャーミーグリーンのCMで手をつないで歩く老夫婦に憧れた。
いつまでもお互いを労わりあい、共に同じ人生を歩んでいく。そんな伴侶に早く巡り会いたいと。
いま、ボクの隣にはトボケた顔して愛嬌タップリの相方さんがいる。
おそらく、数十年後にはボクのほうが先に床に伏すことになるだろうが、それまではこの娘とお互いの手を繋ぎ、お互いに思い遣りながらともに同じ人生を歩んでいきたい。