「太陽と月を同時に見ることは可能だわ。」君がポツリといった。青空にぼんやりと白く浮かぶ・・・。君は僕を月とよぶ。
一人の夜はさみしいから私を照らしてという。
でも君は太陽を見ていたいんだろう?一緒に浮かぶ月など今にも消えてしまいそうだ。
僕の照らす夜でさえ、君は次の朝のことを考えている、僕が毎日姿を変えていることにも気づかずに・・・。
「太陽があるから月も輝くんじゃない。」そんな風に言わないで。
僕が一人ではやっていけないと思っていたの?新月には僕は存在しないと思っているの?
君の見えないところでも僕は生きてゆけるんだよ。
「月の光は冷たいのね・・・。」そんな風に泣かないで。僕を責めないで。君は太陽を望んだのだから。
あぁ、いっそのことこのまま流れて消える星になれたらいいのに。君が三たび願い事を唱える声に耳を貸すこともなく......。