このところ『満州』だの『昭和』だの暗い時代のノンフィクションが続いたんで、気分転換に小説をとポチった一冊。
だが、なぜこの本を手にしたのか記憶に無い...。
学園モノっぽい書名とジャケットからジャケ買いしたのだろうか?
Amazonの商品説明によると
中学生の憂鬱とかすかな希望を描き出す、切ない連作短編集。
ということだ。
小説のなかでも特に学園モノやビルディングスロマンものは好きな方だ。
どちらかというと、中学までは順調な学園生活が、高校で男子校に入ったおかげでいまでも引き摺る精神的発達障害をきたしている我が身としては、学園生活というモノは今でも恋い焦がれる環境なのである。
が、本書はそんな夢と希望に満ちた学園生活では無い。
揶揄では無く一つ一つの短編で描かれる女の子が『痛い』のだ。
なぜ、こんなに辛い環境なのだろう?
『普通の子とそれ以外の子』
『自分が属するグループとそれ以外のグループ』
『教室内カースト制』
『同じ種類』というあまりにも身勝手で狭すぎる環境の中での自己確認。その教室内の一グループという環境外の同級生は『存在しない』に等しい。
その自分が属するグループであっても、けして学校内で一番心地よい環境なワケでは無い。
いつ自分がはじき飛ばされるか?はじき飛ばされないように、グループの娘たちの顔色をうかがって自分の立ち位置を確認する日々。
いつから『学校』ってこんなに息苦しいところになったんだろう?
正直、今の学校の状況がよくわからないので、各短編の主人公の『痛さ』だけが伝わり、読後のあまりよろしくない物語だった。
ちなみに、相沢沙呼って男性なのね?
男性の感性でこういう話を描けるというところは驚異である。