この日は久々にうどんを食べに南池袋まで足を伸ばそぉ〜かと思い、家を出たのである。
劇場通りをまっすぐ池袋西口方面へ。この辺りまでは快調だった。思ったほど外気も暑くなく、いぃ〜散歩日和かと思いかけた矢先。
芸術劇場を通り過ぎた辺りで汗が噴き出し始める。メトロポリタンホテルの辺りでボクの心は折れたのである...(^^;)ハハハ。
ふとうどんの代替案を提示すべく辺りを見渡すと『油そば 春日亭』の看板が目にとまる。
ご新規さんではあるが、なにげにイケそうな佇まいである。外から店内の様子を伺うとカウンターもほぼ埋まっている。
まだお昼前なのにお客さんが入っているということは人気店やもしれぬ。
ということで、うどんはやめて油そばに変更なのでございます(笑)
そもそも『油そば』というと、ボクの記憶の中では吉祥寺のぶぶかで止まっている。
90年代後半、職場が吉祥寺だった頃に昼に夜に週3回は通っていたお店がぶぶかである。
そこで初めて出会ったらーめんが油そば。汁なしでラー油とお酢をかけて味を調整するまぜそばスタイルに若かりし頃のボクは魅了されたのである。
吉祥寺を離れて以降は世の中つけ麺が幅を効かすようになっていったため、油そばというモノは意識的に開拓しないでこれまで来たのである。
そんな隔世の感もあり、この春日亭さんのメニュー看板を見て驚いた。
油そばもあれから20年近く、随分進化しているのである...(遠い目)。
店内に入ると、
店『あぶ○●しゃいませっ!』
ムムム?最初はよく聞き取れなかった。店員さんが中国な方のようで、日本語がまだ拙いのか?とスルーする、とふたたび。
店『あぶらっしゃいませっ!!』
今度はどこをドォ〜聞いても『油っしゃいませ』と言っている。よぉ〜に聞こえる。
その後も店長と思しき方もはっきりと鮮明な日本語で『あぶらっしゃいませ』と言っている...(^^;)ハハハ。
『油』そばだけに?
ってか、このかけ声微妙に気恥ずかしい思いに駆られるのはボクだけでしょうか......。
店内は非常にこじんまりしており、カウンターのみでせいぜい8席程度。
今どきのラーメン屋さんにしては小さめなお店です。
初めての御入店&微妙なかけ声の気恥ずかしさと、券売機でのメニュー構成が解り辛く且つ券売機のアナウンスのボリュームが狭い店内に響き渡るほどの大音量で、さらに気恥ずかしさが増しまして、冷静に検討する心の余裕が無く、パッと見『復刻』と書かれていたとん黒油そばから、炙りとん黒油そばのチケットを購入なのです。
待つこと数分、目の前に出された炙りとん黒油そばがこちらっ!
最初、え゛っ!?これ油そばなん??と。
スープもあるように見えるし、ちょっとスープが少なめなラーメンの様。
チェーシューはトロトロ系の炙りモノ。これ絶対旨いヤツですなぁ〜。
よくよく見ると、やはりラーメンではなく油そば。
豚骨系のスープかと思しきモノはスープではなく油ダレ。
ってか、これ背脂だけってワケじゃないよね?背脂ペーストだったりしたら、流石にこの歳では胃が凭れてしまいますわっ!?と若干心が折れ気味になりました...(^^;)ハハハ。
チャーシューの他の具はメンマにねぎと海苔。それに味玉が1/2。
ラーメンの基本の具から逸脱してはおりません。
具とタレで覆われて姿を隠している麵を掘り起こすと、麵は太縮れ麺。
やはり油ダレに絡みやすいように縮れてます。
しかし、いわゆるつけ麺の麵のようなしっかりとしたコシまでの強さはなく、ほどよいソフトな口当たりで食べやすい麵です。
どちらかというと軽め?な麵。これも特徴かもしれません。
まずは、具と麵をかき混ぜて食すべし!
ということなんで、ナニも加えずにいただきます。
これが昔の記憶のぶぶかの油そばとはまったく違った味。
いわゆる支那そばととんこつラーメンの違いくらい(笑)
油そばってここまで進化しましたかぁ〜と旨さよりも感心が先立ってしまいました...(^^;)ハハハ。
あの背脂プールかと思ってヒヤヒヤした油ダレもまったくクドくなく、豚骨でも塩でも白湯とも違う、独特の塩加減とコクで油そばのイメージが一掃されます。
オリジナルの味を味わった後は油そばの基本、お酢+ラー油をどんぶり2週分くらいかけていただきます。
油ダレのコクにラー油の辛味とごま油のコクが加わりまた味の変化が。
コクがまして味が内向きに濃くなりそうなところを、お酢の酸味で外側に解放してくれる。そんな味わいに変化します。
やはり、お酢+ラー油が加わると昔々のぶぶかの油そばを思い起こします(笑)
そして、最後はマヨネーズ。
コクも酸味もお酢+ラー油で加えてるんで、いらねぇ〜ンじゃね?と思いがちですが、マヨが加わるとコクと酸味だけでなく、クリーミーさが加わるのです。
しっかりと具と麵をいただいて残った油ダレ。
最初に目にしたときと比べて全然油っぽさを感じさせないタレが残りました。
そして、器から視線を上げると、そこには恐ろしぃ〜ことが書かれているのです。
『秘伝のタレ!麵を食したら、残ったタレに 貴方のための生卵かけご飯セット』
なんと、残った油ダレを使った卵かけご飯というご提案っ!?
この悪魔の誘いにボクは抗えませんでした…(T^T)(涙)。
とはいえ、けっこうお腹に余裕は無くなっていたんで、ご飯は少なめにしてもらい...(^^;)ハハハ。
でてきたのは、玉子にご飯、それと秘伝のタレ。
まずは残った油ダレにご飯をインッ!
そして、生玉子をオンッ!!
黄身を潰しながら油ダレとよぉ〜く絡ませます。
ムムムっ!?油ダレと絡まった玉子ご飯はたしかにこれまでに味わったことのない味なのです。
油ダレが玉子の黄身でさらにクリーミーさを増しまして、なおかつ通常の卵かけご飯よりもとろみが増しました食感。
これは旨いっ!
そして秘伝のタレ。というかねぎ醤油ですかね?これ。
このタレをかけるとさらに旨味が倍増します。
味がしっかりとして食べやすくもなり。
今回はチャーシュー1枚しか具を残してなかったんですが、この卵かけご飯用にメンマと海苔は残しておいた方がさらに楽しめると思います。
それか、この時点で海苔だけトッピングで注文とかするとよりいぃ〜かもしれません。
そんなこんなの春日亭さん。
油そばもなかなか侮れないレベルにまで進化したモンよのぉ〜と。
これなら常連店に加えてもいぃ〜なぁ〜とお腹ぽっこりさせながら家路についたのでありました。
がっ!?家に帰って春日亭さんを調べてみると、なんと家の近所の平和通り商店街にもこの春日亭平和通り店さんが営業しているとっ!?!?
わざわざメトロポリタンの方まで行かずとも、徒歩5分圏内で春日亭さんの油そばにありつけるとは(笑)
というか我が家からこれで、徒歩5分圏内に巡回コースのラーメン屋さんが10件目......。
母さん、この夏ボクの肝臓はフォアグラになってしまいそぉ〜です...(^^;)ハハハ。