『谷根千』。
谷中、根岸、千駄木一帯のあたり。昔ながらの下町情緒がいまだに生活の中に溶け込んでいると語られる。
が?フト疑問に感じたりもするのである。
あの辺りは『下町』なのだろうか?昔で言えば『山手』なんじゃないだろうか?と。
ボクの勝手な私見だが、『下町』とは路地と路地が無数に絡み合い、路地すらもご近所の生活空間の一部となっているエリアだと思っている。
『山手』は路地ではなく通りである。通りを中心にその両脇にズラッと建物が並んでいるエリアである。
下町にも通りはあるが、通り以上に大切なアイテムが路地だと思う。
職場の虎ノ門界隈も、虎ノ門ヒルズ開業後の再開発が進み、通りの裏側に重なり合うように佇んでいた路地が一つまた一つと失われている。
非常に残念なことだ。
路地が失われ、生活空間も無くなる変わりに、通りは拡張され、大きな商業施設が建ち並び、また新しく綺麗な街に変わっていく。
表向き、これが正しい変化なんだろうが、その地に蓄積された歴史がブルドーザーとショベルカーで引き剥がされ、綺麗なアスファルトに変わっていくのをただただ観ているだけというのは悲しいモノである。
そんな再開発が虎ノ門では行われている一方、常に変わらずに注目を浴び続けているエリア、『谷根千』とはとても興味が惹かれるのである。
訪れたのはだいぶ前。エントリーに起こすのが遅れに遅れこの時期になってしまいましたが、まさに谷中の一大イベント『菊まつり』の前日に訪れたのです。
まずは千代田線根津駅を降り、駅前の不忍通り。
高いビルが無い(笑)
この辺りは秋祭りのシーズンのよぉ〜で、谷中の菊まつりの翌週は根津・千駄木下町まつりなるものがあったよぉ〜で。
根津駅からはまずは根津神社方面へ。
ちょいと歩くだけでもこのような路地が。
この洗濯干しながら向かいの家と余裕で会話できる距離感。いぃ〜ですなぁ〜。
祖母の実家のあたりを思い起こします。
そしてまずは根津神社にお参りです。
山門もどことなく小振りというか、大げさで無くて良い感じ(笑)
本殿でお参りです。
この時代に神社の境内がそのまま近所のガキ共の遊び場になっているなんて、しかも都内で!?
まるで昭和なボクのクソガキ時代のようで時間が止まって感じます(笑)
根津神社内には乙女稲荷というお稲荷様もおり、京都の伏見稲荷ほどではないですが、このような鳥居が。
根津神社を後にして向かったのが『夏目漱石旧居跡』。
ちょうどこのころNHKで『夏目漱石の妻』を放送していて、ちょうどこの日の前日に、漱石が初の小説『吾輩は猫である』を書き上げたところだったのです。
なので、なにげにこの日のメインと勝手に決めておりました(笑)
なんとっ!?漱石の前には森鴎外もこちらで暮らしていたとのことっ!?
まさに近代文学発祥の地なのでございます!!
さてっ!
と気合いを入れたモノの、観るべきモノがなにもない......。
よくよく目をこらしてみると塀の上に猫の像が......。
残念なことに旧居どころか旧居跡地もなにも残ってないのです。
この辺で暮らしておりました、というお印しか残ってません…(T^T)(涙)
気を取り直して、団子坂上方面に足を向けるのです。
ほどなくして森鴎外記念館の案内が。
この辺は坂の上なんで、下り坂の路地が多いです。東京のど真ん中なのにこんなに起伏の或る場所がまだまだあるのねと。
夏目漱石旧居跡と違って、森鴎外記念館はご立派な建物が建ってます。
中に入りたかったのはやまやまですが、時間が無いんで外周をぶらりとして団子坂へ!
途中、こんなところにモヤモヤさまぁ〜ずでお馴染みの夢の1000円自販機がっ!?
この手の物が営業可能ってことはやっぱりこのあたりは下町なんでしょね(笑)
団子坂上から団子坂下へ向かいます。
団子坂下の交差点で信号待ちをしていると、ビートルカブリオレを操るお爺ちゃん。
なんか街の雰囲気と異質なかっこよさを感じて、思わずシャッターを切ってしましました(笑)
団子坂下の菊見煎餅総本店さんの前を通り過ぎて、菊まつり会場に向かうのです!
会場前の通りにはあちこちにこの谷中菊まつりのポスターが貼ってありました。
この辺りも昭和な雰囲気のままの路地が残ってます。
ホントはこういう路地を隅々まで歩き倒したいんですけどねぇ。
時間が無いんで進むのです!
そして菊まつり会場の大円寺。
まさに明日からの菊まつり本番に向けて、準備の真っ最中でした。
なんか大円寺さんの参道はブルーシートで囲われて封鎖されてたんですが、脇の方が出入り口で空いてたんで、入って良いのかダメなのかわかんないまま吸い込まれていったボクなのです(笑)
屋台もなにもまだ出来上がっておらず。そもそも菊がっ!?
大円寺さん本堂。そもそもこの日参拝しようと思ってた人とかどうすんだろ?入口普通に封鎖されてんのに(笑)
菊を求めていたら、申し訳程度に脇の方で準備が進められてました。
菊人形もまだ準備中。ビニール袋被されてます。窒息しますっ!?(笑)
本番当日はもっと賑々しく菊だらけになるんでしょうねぇ〜きっと。
そんな菊まつり準備まっただ中の大円寺さんを後にして、谷中銀座方面へ向かいます。
大円寺から谷中銀座に向かうのに裏道をぐるぐるしていて気付いたのが、お寺さんの多いこと!?
金沢も街中の至る所にお寺さんがあって、寺だらけの街だなぁ〜と思いながら通勤してましたが、都内なのにこのあたりも実にお寺さんが多い。
しかも、日蓮宗系がおおいのかな?
ちなみに立善寺さんの山門の前にはなぜかバイキンマン(笑)
黒大黒さんも通りに面して鎮座坐してございます。
おそらく谷中まつりのメイン会場が初音の森広場。
翌日行った同僚によるとヒーローショーとかやってた模様です。
そして、明治維新後日本中を吹き荒れる廃仏棄却の嵐から仏教文化を守ったとされる岡倉天心の史跡記念堂。
この岡倉天心史跡記念堂の中に、、、
金の岡倉天心さんがっ!?
岡倉天心の偉業を称えながら歩を進めます。
もぉ〜夕方は若干肌寒い時期になっているにもかかわらずひみつ堂さんには行列が出来ておりました。
そして谷中銀座に到着!
よくこの階段はTVに映るんで谷中銀座というとこのだんだんの印象が強いのですが、でも商店街の端がこういう階段のところってそうそう無いですよね?
普通商店街って端から端に突き抜けるモンだと思うンだけど。コレだと気の流れが溜まっちゃうと思うンだよなぁ〜。
まずは谷中銀座を探索です。
谷中銀座がよく取り上げられるのは、観光地の商店街として賑わっているワケでも無く、地元のジモティが買い物に来る商店街として、いまでもちゃんと機能しているというところにその理由があるんでしょね。
たしかに観光客が入り込むことで非日常的なハイテンションも加わるんで、下町風情の賑々しさにさらに街の勢いが増しているって印象です。
そうは言っても商店街通りに繋がる横路地はこんな感じで、日常の生活空間がすぐそこに広がってます。
いぃ〜なぁ〜こういうの。
もぉ〜谷中銀座と言えば谷中メンチが全国区になってるんで、商店街のあちこちでメンチカツが売られてます(笑)
その中からこちらの肉のサトーさんでメンチカツとハムカツをご購入。
もう一つはとにかく安い!そして口が悪いっ!!(笑)
惣菜いちふじさんでメンチカツとコロッケをご購入なのです。
そして、夕やけだんだんで夕暮れ時を待ちながら頬張ります(笑)
こちらは肉のサトーさんのハムカツにメンチカツ。
ハムカツはちゃんとしたロースハムが薄すぎず厚すぎずちょうど良い厚みで、衣とハムのバランスよし!!ハムの味もしっかりと味わえます。
メンチカツは具のミンチは美味しいモノの、ちょっと衣が厚いかなぁ〜。
こちらは惣菜いちふじさんのコロッケにメンチカツ。
コロッケは基本のポテトにちょっとしたコーン。
塩加減がちょうどよく、ナニも付けずにそのままいただけます。
メンチカツはこちらの勝ち!サックサクの衣と玉葱とミンチの具の加減がたまりません!!
そんなこんなで揚げモンをパクついていると周囲に谷中猫たちが...(^^;)ハハハ。
この子は『ねこあくしょん』さんの飼い猫みたいですね。ちょうどお店の前でパクついてたんで、その脇で毛繕いを始めてました(笑)
前方からは徐々に近づいてくる物体あり!?
揚げ物の匂いに釣られてきたのか、顔を向けるたびにちょこっとづつ遠慮がちに近づいてきたノラさんです(笑)
そうこうしているうちに、夕暮れ時に。
最後は夕やけだんだんから撮った谷中の夕やけの写真で締めくくります。