現在のデジタルカメラの個性はボディのセンサーにあるとボクは思う。
レンズの個性でセンサーにあたる光の加減が変わるのはもちろんだが、光の加減をどう処理して人間の視覚に判断可能な表現をするかはセンサーの影響が大きいのではないかと。
一方、デジタル以前のフィルムカメラはボディというよりもレンズとフィルムに寄ることが多い。
というよりも、ほぼレンズの選択とフィルムの選択、そして両者の相性により決まってしまうモノでは無いだろうか。
そんなフィルムとレンズの相性を考え出すと、フィルム自体の種類が日々少なくなっている今日この頃、なかなかその組み合わせというモノは限られてくる。
先日来Utulensでの写ルンですばりの適当によく撮れるプラスチックレンズの実力にお見それいたしたボクは、トイカメラ的なレンズに興味を持つことになる。
トイカメラといえばLOMO。デジカメ全盛になる前にブームになったトイカメラの雄だ。
いまだにコレクターやらマニアがいるというこのLOMOはトイカメラだけではなくLomographyとしてフィルムも販売している。
以前、何度かボクもLomographyのネガフィルムを使用した。
フィルムとレンズの相性ということを考慮した場合、フィルムもレンズもともに同じ会社で販売しているというのは今となっては珍しいことナンぢゃないだろか?と、LOMOのレンズを探していたら、Leica Lマウント改造したLOMOのレンズを見つけてしまったのだ。
それがこちらのLOMO TRIPLET T-43 4/40 SMENA-8M。
やたらと長い名称ですが、これ実は1970年から94年くらいまで発売されていたLOMOのSMENA-8Mというカメラのレンズで、それをLeicaのLマウント用に改造したモノのようです。
ロシアレンズっぽい写りが評判なのか、物珍しいだけなのか。
でも、数千円で買えてしまうレベルなんでそんな感じの仕上がりなんでしょね(笑)
このLOMO TRIPLET T-43 4/40 SMENA-8MをLeica M4に装着して、フィルムはLOMOの100を装填!
Leica M4自身が昔々のカメラなんで、この手のクラシックなレンズはよく似合います(笑)
そんなLOMOセットを抱えて、いつものネコ歩きminiのコースをお写ン歩です。
ちなみにこのLOMO TRIPLET T-43 4/40 SMENA-8Mというレンズ、形状のクセが凄く絞りリングがないのです。
絞りはレンズ前面の円盤を回して調整するという機構でして...(^^;)ハハハ。
なので、撮影時に絞りリングを回しながらということはほぼ出来ず、予めレンズを見ながら絞り円盤を回して調整するしかありません。
今回は晴れてたんでとりあえずf8で。
また、これはデザインというよりもこの個体のクセというか半分壊れ気味??なのがピントリング。
とにかく左右グルグルと回るのです。むしろ回りすぎるくらい...(^^;)ハハハ。
いったいどこまでいけばピントが合うのだろうか?と不安になりがちなレンズ。
そんなじゃじゃ馬を乗りこなせるのか?払い落とされる結果になるのか??
まずはいつもの印刷所の猫だまり手前の蔦の絡まる塀を。
そもそもトイカメラのレンズ+個体のクセから、どんな仕上がりになるんだろうか?
と期待半分、不安半分だったんですが、というかそもそもM4の距離計とチャンと連動してるんだろうか??という不安が一番大きかったかな...(^^;)ハハハ。
仕上がりを見るとUtulens同様に思っていた以上によく撮れてます。
でも色味が地味なんでパッと見解らなくても、よくよく見るとなかなかのじゃじゃ馬ぶりも散見されます。
ピントが合ってる中央部はそれなりなものの、中心から放射線状に手前と奥の方は画像が流れてますね。
でも、二歩ほど引いて撮ってみるとそれほどでもなく。
寄ると流れ気味、引いて撮る分にはそれほどでもない。でも、これでも隅は流れてますけどね...(^^;)ハハハ。
窓に映り込む太陽を逆光気味に撮ったらどうなるか実験してみましたが、こんなかんじでフレアが発生することもなく大人しい仕上がりに。
ここまではM4の距離計ともチャンと連動していて、問題なさげだったのが撮影時を振り返ってみて、これ絶対違うっ!?と思ったのが下の写真。
川越街道沿いの銀杏の木を撮った一枚ですが、この時距離計が合わずに微妙にズレた状態で撮ったことを記憶しています。
でも、仕上がりを見るとピントは合ってる感じに。
かたやこちらは距離計が合うように二歩退いてドンピシャに合わせて撮影したはずのモノ。
でも、こちらは逆にボケボケに!?
このクセはいったいナンなんだろ??
光の入り加減で影響されてしまうんだろか?
こういうクセはフィルムで撮るとなると仕上がるまで解らないんで不安ですなぁ〜。
絞りを11間で絞って近接撮影。清掃センターの入口です(笑)
絞ると普通に写ります(笑)
空はどぉ〜かというと、けっこう濃いめに写ります。
フィルムっぽいざらつきもアリ、こういう空好きです。
堀之内橋の交差点の前にあるHOSTELのロゴ。
近くを撮すとやっぱり流れますね。
特にピント位置より手前の部分が流れます。
どうせトイレンズならばと、仕上がりにiPhoneの写真アプリで加工してみちゃいました。
もともとフワッと気味だったンで、思い切りハイキーにしてパステル調に(笑)
こういう感じにするには写りすぎないトイレンズで元ネタを撮影するのはいぃ〜かもしれません。
もう、晩秋のこの時期。そろそろ紅葉も終わりで散り始めてきた頃合いだったんで、秋の名残をパシャリ。
角度を変えて。
この時は距離計ともしっかり連動していてちゃんと撮してくれてます。
先ほどのズレはいったいナンだったんだろか??
あぁ〜調子よくなったのね?とおもったのもつかの間、次の一枚はまたもやピント合ってたはずなのにボケボケな仕上がりの一枚に...(^^;)ハハハ。
ちなみにこの時のもう一台、OLYMPUS PEN-FにM.Zuiko12-100mm F4.0を付けて撮ったのがこちら。
デジタルでも今どきな仕上がりのこの組み合わせと比べると違う世界のモノに感じます...(^^;)ハハハ。
木々に光が遮られて居る場所だとちと光量がすくなくこんな感じに。
ちょっと青みがかってしまいます。
しばらくジッとしていたら、あ゛っ!?餌の時間なの??といつもの白キジさんが近寄って参りました(笑)
紅葉も最後の方。フィルムでも獲っておこうと一枚。
さすがに紅葉の一枚一枚をクッキリという感じにはなりませんが、でも写ルンですくらいには写ります(笑)
最後に朝の美久仁小路へ。
しばらくこの辺りを彷徨いていなかったんですが、なんか小綺麗になったんですねぇ。
光量が少なくアンダーな感じになりますが、かえって昭和な感じが増し増してございます(笑)
そんな感じのLOMO TRIPLET T-43 4/40 SMENA-8M。
やっぱりUtulens同様に思っていた以上にちゃんと写るという感じ。
トイレンズらしさを味わうには寄って周囲を流すような画が面白いかもしれません。
でも、あのたまにM4の距離計と合ってるはずが合ってない。合ってないはずが合っている。というのがまだ謎です。
その辺のクセはどぉ〜にかしたいなぁ〜。デジタルのライブビューなら問題ないけど、フィルムだと不安なんで...(^^;)ハハハ。