もはや、沼から抜け出ることは考えず、沼に身を任せてみたら、そこに幸せが訪れるのではないだろうか?と現実逃避に余念がないボクなのですが、なにか?
世にいうライカ本というモノの代表的なものはこの一年でほぼ読み尽くした感がある。
中にはもう再読したモノも10数冊である。
そう、ボクはそもそもは活字中毒患者なのである。ファインダーを覗くことによる悦びより前に、活字から妄想することの歓びに数十年も費やしてきたのだ。
そんなボクでも、これは手を出すまいと日々訓戒していた一冊がこの『ライカポケットブック』である。2000年代前半くらいまでのLeica製品のリファレンスブックの日本語版である。
訳は数々のライカ本で有名な田中長徳氏。我が家の本棚にも長徳氏のライカ本は数々取り揃えてある(笑)
レファレンスブックを手にしたところで、別に中古カメラ屋さんなワケでもないし、もっとライカと人生といった感じのライカ本の方が興味が沸くのであった......そう、あったのであって、今となっては過去形になってしまっている自分自身が恐ろしいのだ。
Leicaのボディやレンズに関しては数々のライカ本で充分知識を得てきたつもりである。
が、最近ご執着のアクセサリともなると情報はネットに頼るしかないのである。しかも数が少ないアクセサリに関してはネットの情報は主観が籠もりすぎて、客観的な評価が出来ないのである。
となるとこのライカポケットブックに頼るしか無いではないか?と。
こんなモノにまで手を出してしまって、このままダメになって死ぬのではないかと...<注:ただのバカです。
当然のことながら、市井の本屋にこんな本は流通していない。しかし、Amazonにはあるのである。
古いし、結構痛んでいるかと思いきや背表紙もこの通り。
裏表紙に多少よれはあるモノの、くすみもなく程度の良い状態のモノである。
これをバイブルに研鑽に励む日々なのである<注:ただのバカです。
そんなボクが、以前から狙っていたのがこの変なモノ。
新宿、銀座の中古カメラ屋でまずは一目みてからとこれまで我慢してきたのだが、一度たりとも実物を拝見できたことがなく、こんな時にはヤフオクなのである。
これは以前Elmar 50mm f3.5に付ける接写リングとしてご紹介したNOOKYのSummicron 50mm f2.0、Elmar50mm f2.8版なのである。その名はSOMKY!
またNOOKYはバルナック型専用だが、こちらのSOMKYはM型専用。一部のデジタルMでは使用できないとか?
まさにこのSOMKYもLeitz社時代の工芸品ならではの気品溢れる佇まいなのである。
NOOKYと同様、SOMKYもレンズ側ではピント合わせは出来ずに、このSOMKYに付いているリングで調整することになる。
通常最短撮影距離は1mであるSummicron 50mm f2.0やElmar50mm f2.8が、SOMKYを装着することにより45cm程度まで接写が可能となる。
接写が苦手なLeicaもこれくらい寄れれば充分テーブルフォトも可能であろう。
M型専用なので、裏側はバヨネット式のMマウントに。
眼鏡部の裏側に誇らしげに『MADE IN GERMANY』の刻印が。
そういえばLeitzあるあるとして、このSOMKYが製造された時代もまだドイツが東西に分断されていた時代で、本来西ドイツの企業であればMADE IN WEST GERMANYとするところ、Leitz社は戦後の立ち上がりからずっと『MADE IN GERMANY』で通し続けたとか。
こちらはMマウントのElmar50mm f2.8。
Elmarの沈胴部のこの爪の部分をSOMKYに引っかけて固定する仕掛けになっている。
SOMLYのレンズ部の奥が二段の溝になっており、この間にレンズ沈同部の爪を引っかけるのだ。
ElmarをSOMKYに装着したところ。
これも最初から想定して設計したわけではないだろうが、かっちりとガタつくこと無く接合するのである。
ホントこの時代のLeitz社の職人技には頭が下がる一方なのであるm(._.)m
まずはデジタルなM TYP240にElmar+SOMKYを装着。
いわゆる眼鏡付きSummicronとかと同様な出で立ちである。
素の状態のElmarだとこんな感じ。
本来はフィルムライカの時代のモノなんで真ん中の四角がなんかズレているように見えるのは、M型Leicaの採光窓にあたる部分であるが、デジタルMでは採光窓がないんでこういうことになる。
採光窓がないデジタルMでは恥ずかしげに赤丸の右端だけチラ見せである。
まさに奥ゆかしきチラリズム!男はチラ見せに萌え滾る生物なのである。
なんかなにも付けない素の状態でも充分にゴツいM TYP240がさらに固太り感満載である...(^^;)ハハハ。
ネットではなかなかElmarにSOMKY装着の事例がないが、とりあえずElmarが無事に付いたんで一安心。
今度はSOMKYのメジャーな使い方、Summicron 50mm f2.0である。
Summicron 50mm f2.0の方がメカメカしさが増しまして。
なんだかメカゴジラのよぉ〜である(笑)
同じくM TYP240に装着!
こちらはSOMKY無しの素の状態。
いやぁ〜これも充分スチームパンクですなぁ〜。
男子が扱うメカとして相応しい風貌なのだ。
やはり、フィルムライカなM4のほうが相応しいかもということで、M4にも合体!
こちらはSOMKY無し。
やっぱりクロームの色合いといい、M4のほうが似合いますなぁ〜。
沈ズミ様がさらに神々しく感じられます...(-人-)合掌。
メカゴジラ感がさらに増し増してございます(笑)
さらに、これで打ち止め!と決めていたのがこのブツ!
これはなにかといいますと、Leica Mシリーズのファインダーの接眼部に取り付けるマグニファイヤーというアクセサリ。
小さなレンズともいうべきモノで、通常のファインダーを1.4倍に拡大してくれるのだ。
日々目の老化が進むボクとしては願ったり叶ったりの逸品!
このM4のファインダーの接眼部は35mmの広角域も表示できるように実際よりも縮小して表示しているのだ。
なので両目を開けてファインダーを覗くと左右の倍率が異なるんでワケワカなことになる。
ちなみにM4のファインダー倍率は0.72倍。
そこでこのマグニファイヤーM1.4xの出番である。
この接眼部の内側にネジの切り込みがあるのがおわかりだろうか?
そのねじ切りにあわせてマグニファイヤー M1.4xを差し込み右に回して固定する。
かなり出っ張る感じではある...(^^;)ハハハ。
なんかいろんなところにいろんなアクセサリが取り付けられるこのボディの使用はどこまで当初から想定していたのだろうか?
M型の完成度の高さには惚れ惚れするのだ。
また細かいところにまで手を抜かないのがLeicaである。
このマグニファイヤー M1.4xの唯一の可動部分のリングにはマグニファイヤー M1.4xの落下防止の紐を取り付けられるようになっている。
紐の一方をマグニファイヤー M1.4xに取り付け、もう一方をMボディのアイレットに繋がったストラップリングに取り付けることで落下防止を図る仕様なのだ。
で、実際どれくらい拡大して見ることが出来るのかというと、こちらは素の状態のSummicron 50mm f2.0のファインダーの見え方。
白く浮かぶブライドフレームの内側が50mmの画角となる。
これが、実際の0.72倍で表示されている状態である。
それにマグニファイヤー M1.4xを装着するとここまで拡大されて見えるのだ。
ファインダーのほぼ内枠が50mmの画角として捉えることが出来る。
M4のファインダー倍率0.72倍にマグニファイヤーM1.4xの1.4倍をかけると1.008。
ということはほぼ等倍の表示ということになる。
当然35mmのブライトフレームは、もうマグニファイヤー M1.4x装着のファインダーでは拡大されすぎてファインダー内には写らない。
マグニファイヤー M1.4xでは50mm以上の焦点距離のレンズで使用するコトが望ましい。
ちなみにデジタルなM TYP240のファインダー倍率は0.68なんで、1.4を掛け合わせると0.952でこちらもほぼ等倍の映像をファインダーを通して確認できるということになる。
さらに遊びで、素の状態のElmar50mm f2.8の50mmブライトフレームの見え方はこんな感じに。
Elmar50mm f2.8にSOMKYを装着して見る50mmブライトフレームはこんな感じに。ファインダーの若干内側くらいまで拡大する。
そこにマグニファイヤー M1.4xを装着するとファインダーをギリで見切れるくらいな感じに(笑)
正直SOMKY+マグニファイヤー M1.4xはあまり実用的ではないだろう...(^^;)ハハハ。
とりあえず、これでしばらくはアクセサリ沼を巡る攻防は一段落するはずである。
ボク自身、そぉ〜願いたい...(^^;)ハハハ。