カメラバカ、レンズバカが陥る沼はそこかしこで口を開けて待っている。
それぞれの沼の大きさ、深さはジャンルにより様々だが、中でも大きく深い沼はLeica沼であることにはどなたも異論のないことであろう。
そんなLeica沼に自ら陥っていく勇者のダレもが向かう道はオールドレンズ界の中でも王道中の王道、Summicron 35mm f2.0の1st。『8枚玉』に至る道ではないだろうか?
Leicaが紡ぎ出す100年に渡る伝説の中でもミーハーからマニア、研究者にいたるまで話題に上げざるを得ないのが『8枚玉』である。
ライカ人類足るモノ、8枚玉を手中に収め、あのLeica中のLeicaといわれるレンズの味わいをモノにしない限りは俄ライカ人類であるとっ!
そんな溢れすぎている伝説を目にする度に、ある種脅迫観念的に『8枚玉』への夢が妄想に、さらには幻覚となって数々の勇者達を沼の奥底に引きずり込むのである。
そんなボクも勇者の端くれの一人として、昨年夏に初めてまじライカであるLeica M4を手にして以来、ずっと影を追い求めてきた一人である(笑)
でも、手が出せない...(^^;)ハハハ。貴重さもさることながら、貴重であるが故に状態の良いモノはとても手が出せる値段ではないのである。
でも、いつの日か手にするであろうと幻覚を見させるのがLeica沼の怖いところなのだ。
そんな中、ある日突然現実に引き戻される出来事が生じたのだ。
もぉ〜この2年というモノ、これまでカメラや写真に興味無かった期間を取り戻すかのように過去に遡って、関連書籍や雑誌を読みまくっているのだが、その中でKindle Unlimitedの対象となっている『Leica通信』のNo.10でSummicron 35mm f2.0の4世代の比較記事を目にしたのである。
これまで数々の伝説の主人公だった8枚玉の写りはさぞや飛び抜けた表現力なのだろうと!期待溢れすぎて過呼吸が危ぶまれるほどにハァ〜ハァ〜しながら眺めたところ、1st〜現行までの4世代のSummicron 35mm f2.0の作例の中で、ボクの感覚で一番いぃ〜なぁ〜と思ったのが2nd、『6枚玉』とか『ツノ付き』と言われるモノだったのだ。
なにせ、4世代の中で一番人気がないといわれるツノ付き(笑)
なんでこれがいいのか?と。ミーハーであるボクがなぜ一番人気がない2ndに惹かれてしまうのか?と。
これは感性の違いでしかないので、どぉ〜にも説明しようがない。とにかく4世代の比較の中では一番2ndが醸し出す画が一番良く見えたのである。
さて、この人気がない2nd。人気がないが故に他の世代と比べてかなり割安なのである。一気にSummicron 35mm f2.0が現実のモノとなってきたのである。
さっそく、カメラ棚から買取候補を選定し、いつものカメラ屋さんに向かったのである(笑)
そして、ついにここまで辿り着いたのであります。
Leica Summicron 50mm f2.0 2nd。
外観にスレとかあり、人気がない2ndということでSummicron 35mmにしては格安。8枚玉の半分以下(笑)
ボクにとってはLeicaレンズでは初めてのブラックボディ。
レンズ部はクモリもカビ、チリもなく問題なし。
そして、初めてのLeitz Canada製。
この絞りリング操作用の『ツノ』が2nd初期モデルの特徴。
操作の邪魔!とかクレームが来て後期モデルではなくなってしまうんだけど、でもボクはこのツノ便利だと思うンだよね。
でも、他のモデルでもこれ以降ツノモデルがないってことは、やっぱり大半の人は邪魔だって思うンだろネ...(^^;)ハハハ。
製造番号は2316986。
ライカポケットブックのライカレンズ番号表によると1969年製造レンズの範囲に入る。
この時代だとボディはM4の時期だろうか?でもすでにボクの手の内からM4はドナドナされていってしまったんだよなぁ...(T^T)涙。
この2ndの外観的な特徴は、先ほどの『ツノ付き』もさることながら、『6枚玉』ならではのこのコンパクトさ。
歴代4世代の中でも、この詰め込まれ感が他に類を見ないのです。
黒レンズということで、ボディが黒なLeica M TYP240に装着の図。
沈胴式に比べても仕方ないですが、固定鏡胴タイプではLeicaレンズの中でも1、2を争うコンパクトな仕上がりなのです。
バッグに入れていても邪魔にならないのがいぃ〜ですなぁ〜。
いやぁ〜はやく撮ってみたいとウズウズしてきます。
クセがあるようで、実は開放付近でクセがあるといわれる2nd。
8枚玉の1stほどではないにしろ、暴れる玉には蓋をしろ!ということで、なにがしかフードが必要になってきますが、とりあえず以前購入した12585Mでも付けとこかと。
ほんとはこれより薄いタイプが該当するんだけど。
レンズフードを付けるとより精悍なフォルムに!
とりあえず最初の一枚は我が家のフォトジェニック、うちの小春さんで(笑)
さてさて、Summicron 35mm f2.0の切れ味をこれから堪能ですっ!!