ボクが80年代サブカルチャー的な前後左右を斜め上下あたりからヒネたマニアックな視点で物事を捉えてしまうようになったのは、ひとえに健康な一般男子であれば、朝起きてから夜寝るまで春を思い続けてガマン汁もガマン出来ないほどの懊悩に苛まれ続ける多感な季節である中学高校時代に出会った、『ビックリハウス』の編集長並びに今となっては豪華すぎる執筆陣と深夜に泉麻人がパーソナリティを務めていた『冗談画報』のせいであるといっても過言ではない。
おかげで春を思う季節を事件も起こさずやり過ごした後も、いまだにあの頃出会ったサブカル魂は三つ子の魂百までというほどにボクの脳味噌のシワの一つ一つに見事に刻み尽くされて現在に至るのである。
そんな先達の一人、泉麻人の著作は10代後半から20代にかけてほとんど読み尽くしたわけであるが、最近になって突然読み返したくなり、『街のオキテ』や『東京23区物語』等々、初期の名作を再読していたところ、そういえば最近の本は読んでいないコトに気付きポチったのが『東京いい道、しぶい道』。
2017年4月の出版ということナンで、随分最近の著作である。
ちょっと読み進めたところ、泉麻人氏も歳を重ねてきたせいか、往年のあのマニアックな視点で品定めするかのような冗談半分な表現はかなりなりを潜め、だいぶ大人の文章を読んでいる印象に......。
なんかボクはまだあなたのせいで病んでいるのに何ごともなかったかのようにひとり大人になっているというのはいかがなモンかっ!?
と叫び上げるほどの元気もない年頃なので、すんなりとスルーし、というよりも今のボクにとってはとても良書!お写ン歩にはもって来いの良書なのである!!
ということで、雨が降ったり止んだりな日々が続く7月上旬。
まともにお写ン歩もできずにストレスたまりまくっていたボクは、雨の止み間にカメラとKindleを持って街に繰り出したのである!
これからシリーズ化するかどうかわからない不定期連載、ひょっとしたらこの一回で終わるかもしれないが、純粋パクり企画始動っ!
その名は偽『東京いい道、しぶい道』!!
第一回の今回は本の中では城北エリアの一つとして紹介されている、『池袋トキワ通り・坂下通り』に出かけてみましょう!
というのもこの通りって普段生活道路として特に意識することなく通ってきた道なんで、今回あらためてよぉ〜く見て回ろうかと。
とりあえず、本の中での順番に沿って。
スタートは池袋北口から。
地元民としては知らない間に替えられていたこの『池袋西口(北)』という表記が全くもって頭に入ってこない。
長年鬱積しつくし発酵状態にある北口の負のイメージに蓋をしたいのだろうか?
北口の斜め前には泉麻人氏も書いていた珈琲伯爵。
他所の住民だったら、池袋に来たついでに興味本位で入店したくなるタイプのお店だが、我が家はいまだに足を踏み入れたことが無い...(^^;)ハハハ。
右にJR線、東武線の線路を見ながらしばらく北に進むと、川越街道まで繋がる道がへいわ通り。
ここはここでターミナル駅すぐそばだというのに、なんとも哀愁漂う池袋臭に満ち溢れた味わいのある道だ。
そのへいわ通り入口とクロスするように西へ延びていくのが今回のテーマの一つである『トキワ通り』。
この名前、始めて聞いたわけでは無く以前から見知ってはいたが、どことなくコッ恥ずかしい思いをするのである。
豊島区でカタカナで『トキワ』表記すると、一般的にはあのまんが道の巣窟『トキワ荘』をイメージするのではないだろうか?
しかし、トキワ荘があったのは池袋からさらに南西の方向、椎名町、いまでいう南長崎なのだ。この道がそこまで続いているとも思えず、おそらくトキワ荘自体とはナンの所縁も無いものと思われる。
にも関わらずちょっと先に全国的に有名な『トキワ』があるのに『トキワ』と名付けているところが、どことなく心をザワつかせるのである。
ここ最近このトキワ通り界隈で一番の変化は道沿いにドン・キホーテのビルが出来上がったことだろう。
中華が集まる池袋北口だけあって、店内1Fは中華向けのお土産ラインナップが目白押しである。
歩いていてホントにここはトキワ通りなんだろか?と不安になり始めていたところで、通り名の道標を発見。
よかった、間違っていない...(^^;)ハハハ。
始点から西にただただ歩いていると、いつもの我が家から駅までの通勤路をさしかかる。
この路地には池袋ネコ歩きminiで何度か紹介したパブ猫さんがいらっしゃった。
でも春からねぐらの電気屋さんの家屋の解体、新ビル工事建設が始まりその姿を見かけなくなってしまった......。
その先には西一番街に入り込むロマンス通り。ロマンス通りの突き当たりを右に行くと、前面桃色に覆われた池袋西口のランドマーク、ロサ会館である(笑)
劇場通りにさしかかると、本にも書いてある通りパセラビル。
左を向くと要町通りとの交差点にマルイが見える。
いまでこそ、川越街道まで街路樹が植えられて左右二車線の整備された通りである劇場通りだが、以前はここが池袋の三業通りだったとか。
今となっては望むべくもないが、往年の三業通り時代の風景を見てみたいモノである。
劇場通りを越えてトキワ通りはまだまだ続くと思いきや!?
ちょっと進むと新たにトキワ銀座と?
まだ辛うじてターミナル駅周辺をギリギリ保っている区画である。
が、そろそりディープ池袋臭を醸し出し始めるエリアでもある(笑)
足を進めると、この通り沿いには以前本ブログでも紹介した街のパン屋さん『みつわ』さんが。
この日16時過ぎにはフランスパンが焼けたところらしい。
バゲットではなくフランスパンと称するのが池袋である。
この辺からは道はクネクネ。区画整理もなにもあったモンじゃないのが池袋西口というモノ。
トキワ銀座も終点だろうか?と思いかけたところで、本でも触れていた昌庭之家。
がっ!?それよりも手前のビルが気になってしょうがないであろう。
こちらはザ・ガレージショップ。
見ての通り、コンセプトの収拾がつかなくなった末路のオブジェである(笑)
以前はでたらめに揃えたリサイクルショップのような品揃えの商品がお店の外まで陳列されていたのだが、どうやら廃業?
貸ビルとの手書きパネルが入口にかかげられていた...(^^;)ハハハ。
そして、こちらがほぼ中国人専用ビジネスホテルの雰囲気を醸し出していると書かれていた昌庭之家。
いまでこそリトルチャイナだの池袋チャイナ化計画だの騒がれているが、そもそも池袋西口という土地には80年代から積極的に中国の留学生を受け入れてきたという歴史と地盤があるらしい。
ということは、いまや当時の留学生のJr世代が集ってきているということか?
昌庭之家のすぐ先は冷静に見るとなんとも不思議な道路区画であることが認識される。
正直、今までこの道を何度も通り過ぎてきたが、道がこんな構造になっていたとは気付いていなかった。
トキワ銀座としては左右一車線だった道が、ここから先は一車線に車線減少されているのだ。これどうやって抜けていくのだろうか?
ここから先はこのように一車線しかない道幅となっている...(^^;)ハハハ。
一車線の道をさらに西へ進んでいくと、緑色の看板。
ついに入店することなくお店を閉めてしまったミーオ跡地。
ここのハンバーグを一度でいいから食べたかったんだよなぁ〜...(T^T)涙。
池袋幼稚園の先辺りから道はクネクネ&下り坂となっていく。
この辺りはもはや天下の山手ターミナル駅のイメージの欠片もなく(笑)
私鉄沿線の駅前商店街な街並みとなる。
当然のことながら、床屋さんのこのグルグルもナンの違和感もなく今日もグルグルと回っているのだ。
まだまだ下るこの通り。
こういう注意喚起の看板があるということは、けっこう自転車事故が多いというコトかね。
うちの小春さんを連れて良く散歩をしているこの道で、最近ちと違和感を感じるのがこちらのBig Bang Boxさん。
たまに地下アイドル系のイベントとかをやっているようで、その手が好きな方々がお店の周辺に集っていたりするんだよね。
こんな駅から中途半端に通りところまでご苦労様でございますm(._.)m
夕方、買物時ということもあり、こんな通行止めの標識が。
夕方は歩行者天国になるようだ。
こちらも本で紹介されたなみき食堂さん。
本ブログでも紹介した通り、街の定食屋さんとしてはなかなかの実力の持ち主!
そのなみき食堂さんの前に例の核兵器廃絶の母子像...(^^;)ハハハ。
埼玉屋豆腐店という豆腐屋さんだったんですな。
ここも何度も通りかかっているのに全然このインパクトありすぎるモノに気付かなかった...(^^;)ハハハ×2。
慈愛に満ちた赤子を見つめる母の顔。
核兵器ダメっ!絶対!!
なかなかのインパクトでお腹いっぱいになっていたら、もう一つ像がございました...(^^;)ハハハ×3。
ちなみに坂を下ったこの辺りはもう一つの本日のテーマである坂下通りに名を変えている。
ビックリしたのが、池袋昭和探訪や池袋ネコ歩きminiでも紹介したこちらの茶虎さんは、豆腐屋さんの猫だったようで。
この後豆腐屋さんの勝手口から入っていきよりました(笑)
ここから先はなかなかな商店街らしい光景が。
まずは八百屋の八百しんさん。
この辺は正直池袋駅からも要町駅からも遠く、駅前商店街というよりも住宅地の商店街としていまだ健在。
八百しんさんの脇の路地もこんなふうに住宅が連なっており、この辺のご近所さんには無くてはならない生活空間なのであろう。
八百屋があれば当然精肉店も。
きっとご近所の60代〜80代のギャルが集うのであろう、最新ファッションを提供するミノヤさん(笑)
そういえば、ここが深夜までやってるキクヤの本店だったような?
もう営業していないんだろか?
八百屋、肉屋と来たら果物屋さん。
こちらは八百芳果実店。
となりは八百屋の八百芳(笑)
オモシロいところだと鶏肉専門の鳥元商店さん。
店先にあった出前用?のバイクが気になって撮影していたら、お店のおばちゃんがニッコリと微笑みかけてくれました(笑)
坂下通りにクロスするように谷端川緑道を通り抜け。
するとゴールの山手通りは目の前。
この辺が坂下通りの終点かと。
山手通りに出たところで、今回の偽『東京いい道、しぶい道』池袋トキワ通り・坂下通りのお写ン歩は終了!
普段は生活圏の一つの通り道としか意識していなかったトキワ通りや坂下通りも、こうして道そのものを探索するというテーマとともに散歩すると、いかにこれまでなにも見ていなかったのかと気付かされる。
足を伸ばして旅行に行かなくても、近所をカメラ片手にお写ン歩するだけでも新しい光景に出会えるものである。
【10 昔のブクロ、ここにあり・・・池袋トキワ通り・坂下通り】
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