今から三年前の2019年7月にスタートした思いつき企画の偽『東京いい道、しぶい道』。
学生時代に読み漁った泉麻人氏の『東京いい道、しぶい道』に掲載された街道をとりあえず撮り歩いてみようかな?というだけの思いつきでした...(^^;)ハハハ。
ちょうど時代は30年続いた平成から令和に切り替わり、その時代の変わり目で突然昭和の残滓に思いを馳せるようなことを経験したこともあり、昔ながらの街並みや街道に興味を持ったのがキッカケでした。
とりあえずご近所から始めたこの散歩も途中コロナ禍で間が空いたこともありましたが、なんだかんだと3年かけて全街道を踏破!
歩ききったところで、各エリアごとに今一度振り返りと終わりにエリアNo.1のおすすめの街道発表でございます!
今回は縁があるようでないような都心南の城南エリアです!!
目次
17.シナノキ並ぶ銀座の間道・・・並木通り
まずは今も昔も東京の代名詞の一つでもある銀座。
その中でも新橋寄りの銀座八丁目から並木通りを銀座一丁目目指して北上ですっ!!
この回もうちの相方さんを連れ出してのお散歩デートでした。銀座なので(笑)
新橋駅銀座口の目の前、難波橋の交差点を渡ると並木通りの入り口です。都心コースのスタート地点は近くて解りやすくていいです(笑)
銀座の通りは区画整理がされているので、車道と歩道が完全に分かれているので安心安全。
さっそく銀座八丁目という場所柄らしい金色のバニーがむかえてくれました。
この辺りは慶応ボーイだった頃の泉氏の思い出がそこかしこに転がっているようですが、ボクが上京してからこの辺は何度も徘徊している道なので、正直新鮮味はあまりありませんでした...(^^;)ハハハ。
とはいえ、銀座という街は昔ながらの建物、老舗のお店もあれば、目新しい建物や新規出店のお店も混在して、相変わらず活力を感じますね。
18.高野聖と火の見やぐら・・・三田聖坂・二本榎通り
この回は著者である泉氏の学生時代のお膝元である三田から高輪台で高低差を味わうコースでした。
スタート地点の聖坂の入り口からして、坂なのでなだらかな上り坂が続きます。
坂を登っていると、本書ではまったく触れられていなかった個人が建設工事を継続しているあの『アリマストンビル』の工事現場があったのですっ!?
本書には書かれていないんで、本来は関係ないネタなんですけど、タモリ倶楽部で見て以来気になっていたアリマストンビルに偶然出会えてハァ〜ハァ〜が止まりませんでした(笑)
坂を登っていると亀塚古墳がある亀塚公園。この辺はけっこう登ってきたんで、本来は第一京浜の向こうにJRの線路や芝浦の運河が見えたんでしょうけど、今は高層建築が遮って昔の様子がうかがえません。
途中幽霊坂を上がったり下がったりして二本榎通りに入り、大石良雄外十六人忠烈の跡を確認したりと。そういえば、三田・高輪といえば忠臣蔵ですよね。
この二本榎通りが尾根道のようになっているので、ここに繋がる横路地が階段路地だったりと、両脇の小径に風情がある通りでした。
ゴールは高野聖な高野山東京別院。ここに繋がる『聖』坂なんですね。
19.新幹線から見えるコアな道・・・西大井 のんき通り
スタート地点の西大井駅は下車したことも行ったこともないので縁がないなぁ〜と思ってましたが、なんと池袋からは湘南新宿ライナーで一本という行きやすさ!
泉氏が触れていた『のんき』への期待に胸躍らせていったモノの、当時ののんきのオンパレードはすでに無く、普通の街灯に変えられている光景を前に歩き始めた頃からモチベーションがダダ下がりになったこの街道...(^^;)ハハハ。
特に触れるべきところもない普通の商店街を抜けた先の最後の最後で少々オカルトチックな三吉大明神に辿り着きました。
ここお稲荷さんなのに『奇妙な老婆の銅像』が鎮座坐して在らせられるんですよね。
この奇妙さが唯一際立つのんき通りでした。
20.黒い温泉街道・・・蒲田本町通り
やはり23区内といえども池袋からはほぼ反対側の品川方面は遠くに感じます。さらに京急本線で雑色駅という初めて認識する駅へ。
この回の蒲田本町通りとは実は地図上には存在しないのです。というのも著者の泉氏がこの辺りの銭湯を巡ったあたりが蒲田本町エリアということで、仮の名として名付けたとか(笑)
蒲田本町通りのルートはまさにその通りで、都内各所では年々激減を続けているという街中の銭湯がこの街にはそこかしこに点在しておりました。
まずはスタート地点に着く前から照の湯さん。
ビルに埋め込まれた『ON泉 OFF呂』の語呂合わせがお洒落です(笑)
下町らしい商店街の雑色商店街を抜けるとヌーランドさがみ湯さん。こちらは今風のスーパー銭湯のようです。
〆は赤い看板の蒲田温泉。こちらはメディアでも取り上げられていて有名な銭湯ですよね。名物の黒い温泉、黒湯に浸かれます。
と、ほぼほぼ蒲田銭湯巡りでしたが、帰りがけに蒲田といえばやはり蒲田餃子でしょ!
と、你好本店さんで蒲田の羽根付き餃子を堪能しました(笑)
21.文士も歩いた馬込の尾根道・・・仲通り・馬込三本松通り
この時期がちょうどコロナ禍突入間際といったところでした。エントリーをアップしたのは4月下旬ですが、現地をブラついたのは3月下旬。
そろそろ街歩きも自粛なのでは?という瀬戸際での偽『東京いい道、しぶい道』。
さらには人生初という東急大井町線に乗車して荏原駅へ。
駅前の荏原町商店街を抜けて馬込三本松通り商店街へ入っていきます。
馬込三本松通りの元になった崇福寺の三本松は今は無く、代わりの三本松が境内入り口に植えられておりました...(^^;)ハハハ。
新馬込橋界隈には川瀬巴水に関するレリーフや解説が置かれており、急に、馬込文士の世界観に吸い込まれます。
第二京浜を渡り、南馬込に入るとこの辺りが馬込文士村とされていたところのようで、旧家や洋館が点在します。
道中薄々感づいてはいたんですが、この道も実は尾根の様で左右には下っていく坂道や階段路地が風情を増し増しております。
22.龍子の屋敷から池上梅園へ・・・池上道(旧池上街道)
前回の馬込三本松通りの臼田坂を下ったところから、旧池上街道を抜けて池上本門寺の西側を廻っていくコース。
前回のルートの延長でそのまま二区間目の徘徊を続けました。
馬込文士村の名残もまだあり、まずは川端龍子記念館へ向かいましたが、この時期どこもかしこも公共施設はコロナ禍のために休館...(^^;)ハハハ。
その後は旧池上街道に入りましたが、ここは『いにしえの東海道』という道標が点在し、旧東海道だったということなんでしょね。
呑川の川縁、池上本門寺の周囲は江戸の香りが残っているかのような旧家の木造建築も建ち並び、他とは異質な空間でした。
96段と言われる本門寺の階段は登らずに、境内の西側の道を進むと、いつしか池上梅園へ。
コロナ禍も本格的になってきた中、この企画もどうなるだろうか?と心配になり出した頃合いでした。
23.大森の海苔ノリ街道・・・美原通り・するがや通り
前回の旧池上街道を巡った週末が明けるとついに緊急事態宣言の発令!?
職場も完全にリモートワークに移行して引き籠もり生活が始まったのでした。
そんなSTAY HOME生活を四ヶ月半続けた夏のお盆休みについに再開!
平和島駅から美原通り・するがや通りと旧東海道を巡った回でした。
美原通りに入るやいなや、『旧東海道』の道標が点在です。
商店街もプチお江戸テーマパークのような佇まいで、なにかと賑々しい雰囲気(笑)
特に各お店のシャッターに描かれた浮世絵風のペイントが派手な通りでしたね。
内川橋を渡った先のY路地を左に向かうとするがや通り。
こちらはなんの変哲も無い商店街でしたが、Y路地が重なる様は旧道っぽい雰囲気を醸し出しておりました。
24.水止舞見物記・・・するがや通り・羽田道
前回に引き続きするがや通りから羽田道を巡ります。
前回終点とした厳正寺から再スタートです。
この辺りは普段の散歩コースとしている雑司が谷界隈の路地と道幅の狭さや垣根の緑の様子が似ていて、なんとなく親近感が沸きました(笑)
ランドマーク的なモノといえば三輪厳嶋神社で、全体的にしぶい道の部類。
最終ポイントのY路地の中央に立つ旧羽田道の道標を拝めることに価値がございます(笑)
25.目黒銀座の奥の細道・・・蛇崩・伊勢脇通り
城南エリアも最後の街道。
いまやメジャーな中目黒駅に降り立ち、駅前の目黒銀座から蛇崩・伊勢脇通りを巡ります。
目黒馬頭観音を横目にまずは目黒銀座を進むと、目黒銀座の奥の細道の通り、脇路地の坂をとぼとぼ登り、上目黒天祖神社へ。
再び蛇崩・伊勢脇通りに戻り、暗渠であろう緑道にかかる崩下橋を渡ります。
なんでこんなに名前に『崩』が付いてるんですかね?
終点は一本の道がまるでその場を撤去するのを諦めたかのように左右グルリと迂回してまた交わるポイント。
その場所の名は『葦毛塚』。
その昔、源頼朝の葦毛の愛馬が何かに驚いて沢に落ちて死んでしまい、こちらに埋葬されたとか。その後も同じようなことがこの地で起こり、なにやら馬に曰くがありげな葦毛塚なのでございます。
そんなこんなな中央区、港区、大田区、品川区、目黒区といった東京の南側を辿った城南エリアでしたが、この9本の街道の中でおすすめの1本というとっ!?
いつの間にか尾根を歩いていることに気付かされた三田聖坂・二本榎通りですっ!!
【Ⅲ城南エリア】
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