『田舎のひとは贅沢である』
これはボクの思うところである。
大学とともに群馬の実家を離れて上京し、もはや実家生活よりも都内での生活の方が長くなるほどだったが、今回の転勤で久方ぶりに都内を離れての暮らしとなった。
金沢での生活も2ヶ月が経ち、この信条はさらに思うところとなったのだ。
衣食住のうち、「衣」は多分に個人のセンスが入り込む余地が高いので置いておくとして、わかりやすい「住」からいうと田舎の住環境は都心に比べて圧倒的に広い。
この広さという感覚は、これまであまり重視していなかった。コンパクトなほうがなにかと便利だと思っていたから。
都心暮らしなんでそんなひろいところは望むべくもないという現実的な制約はあったものの、狭さなりの密度というものをボクは好意的に受け取って生活できていた。
それが、転勤にともない都心では味わえない広い家で暮らすようになるとどうであろう。
なにせこれまで2LDK50平米前後の間取りで暮らしていたところ、3LDK80平米の物件がほぼ半額で借りられるのだ。しかも駅10分圏内で。
うちの場合はペット可が絶対条件なんでそれなりの年季が入った物件ではある。でも6月まで暮らしていた池袋の物件もそれなりの年季の入った物件だ。
なので、ほぼ同様の年期具合でもほぼ半額なのである。
しかし、その価格以上に実感したのは「空間」の大切さ。
これまでのコンパクト現実主義一辺倒だったボクではあるが、この広い空間というものが気持ちの余裕を生み出すモノであるということをしみじみ実感したのだ。
金沢の街を見ても池袋だったら3件分の3階建ての住宅が建つくらいの敷地に、悠々と一軒家が普通に建っている。
これは都心暮らしからすれば贅沢以外の何モノでも無い。
さてさて、肝心の「食」である。
これは実家を離れて初めて実感したものだ。都心での食生活に不満があるわけではなかったが、正月に帰省したときに実家で出される特に野菜類を中心とした生鮮食料品を味わうとしみじみ思う。群馬は海無し県なんで魚介類は普通以上ではないものの、野菜に関してはあきらかに味わいが違うのである。
これに最初気付いたときは結構衝撃だった。
上京前までは普通に食しており、その味わい深さになんら感慨深いモノを感じたことはなかったが、美味しいモノを食べさせてもらって成長してきたんだなぁ〜と。
で、ここ金沢で思うことである。
魚介類にいたっては、贅沢以外のなにものでもないと思うわけである。都心では魚は肉よりも高いので、干物以外はあまり積極的に食べることもなく、たまに食べても雲丹とマグロさえ食べられれば満足なもんだったのだ。
こちらにきてからは、白身魚を中心にどれもこれも美味しいこと。むしろマグロがちょいとにおって感じてしまい、敢えて食べなくてもいいかなと思うくらいになってしまった。
これは都内に戻ってからは辛いかもしれんなぁ〜と早くもいらぬ心配をしているわけではあるが、この2ヶ月写真に撮った魚介類を並べてみた。
まずは6月30日、小松空港に降り立つやいなやまずは寿司でしょ!と金沢駅のまいもん寿司を目指したところ、駅構内改装中で営業しておらず、おなじ駅構内のすし玉で食べたのが魚介生活の食べ初めだった。
金沢にはもっとおいしいお寿司屋は多々あれど、でもこのレベルでも十分うま゛ぁいっ!と感じてしまうほど都内で日常たべるところの魚介とレベルがちがうのだ。
その後はしんばらく週一くらいのペースで食べに行ったり連れてもらっていったりをしている。
うちの相方さんが引越とともにやってきて、またすし玉だったり。ガス海老の旨さも初めての体験でした。
これから金沢の姉ぇ〜さんと呼ばせていただきたいお方とお初にお目にかかったくら屋の岩牡蠣はこれまでに味わったことがない衝撃っ!?
こんなにでかくておいしい牡蠣があったのねっ!?これまで知らなくてごめんなさいと頭を垂れざるを得ない味わい。
白海老のかき揚げも絶品!
なかでも一番の衝撃だったのが、中央卸売市場にある三四味屋さんのお刺身っ!
この写真の一皿はあくまで1/4人前である。
しかも盛り方が横に切り身が並んでいるのではなく、切り身がお皿の上に縦に立てられてのこの密度なのだ。
とてもじゃないが、独りで食べるのにも苦労する分量なのである。
ただ量で攻めるだけかとわけではなく、市場脇のお店なのでその日仕入れた鮮度が高く、身が引き締まったお刺身のてんこ盛りである。
すっかり白身魚のおいしさに舌が慣れたところで、たまにはマグロでもたべようかと大トロ丼なんぞも。
ただ、やはりマグロの臭みのほうが気になる身体になってしまったようで、脂ののったお魚だったらのど黒の方がおいしいよななんて思ってしまうボクがいます…(^^;)ハハハ。
回転寿司発祥の地とされる金沢でも、うちの会社のジモティー一押しなのがもりもり寿司!
ここは確かに美味しぃ〜です。回転寿司のイメージでいくと高いと思われるかもしれませんが、カウンターのお寿司屋さんに比べると安いし、といっても多分このネタだったら、都内でも普通のお寿司屋さんで出てくるレベルの高さでは?
金沢で回転寿司ならまずはもりもり寿司をオススメです。
後は、海鮮メインというよりも普通の定食屋でもこのレベルの高さ!
これは近江町食堂の白海老のかき揚げ定食と付け合わせで頼んだのど黒のお造り。
定食屋でもこのクオリティーでお刺身がいただけるとはなんと贅沢なっ!!!
すでに2ヶ月で贅沢を身につけてしまったボクの舌をどぉ〜してくれるのよっ!!!
キリもあればピンもあるもので、これは最後に番外編。
ピンといってもあなどれません。
スーパーのお寿司コーナーにて価格より20%引きの780円でお連れしたお寿司。
18巻も入ってこの値段とは......やはり田舎のひとは贅沢です。