都内に居た頃は、職場の安全祈願は年明けにお参りしていたものですが、こちらに来てからは年明けではなく、新年度の年度明けに祈願祭なのです。
ということで昨年同様、今年も職場近くの『尾山神社』で祈願祭。
金沢市内の観光スポットとしては、百万石通り沿いに近江町市場~金沢城跡~兼六園、そしてぐるりと回ってひがし茶屋街が王道コースですが、この尾山神社は近江町市場と香林坊交差点の間辺りの南町に鎮座ましましてございます。
いまひとつメジャーとは言い難い雰囲気は感じますが、でも意外と見るモンもあるんですよ?(笑)
例えば、境内に入るところにそびえたつこの神門は国の重要文化財だったりもします。
国の重要文化財でもあるこの神門の特徴は、
洋風建築を模した擬洋風建築の中でも中国風の混入した数少ない例の一つである[7]。1階を木骨煉瓦造石貼付の3連アーチとし[2]、2階・3階を木造漆喰塗りで階を追うごとに小さく作っている[7]。各階の肩が垂直ではなく竜宮城のようにカーブしており、中国南方の寺院の門の作りになっている[7]。屋根には避雷針が設置されている[2]。
用途は神社の正門であるが、最上階には色ガラスがはめられ灯台の役割を果たしていたと伝えられている[7][2]。減少した参拝客確保のためにこのような奇抜な神門が建てられた[7]。
ちなみにこの屋根についてる避雷針は日本で一番最初に立てられた避雷針だそぉ~です。
初代藩主前田利家を祀る大本の創建は1599年とはいうものの、現在の位置に尾山神社として建てられたのは1873年と、神社の歴史としてはそれほどでもないんですが、廃藩置県後加賀藩としての士族は廃止になり、生活は困窮していたにもかかわらず、旧加賀藩士族が中心となって創建したということで、前田家並びに前田利家に対する忠誠と感謝の気持ちは根強いモノがあったんでしょうねぇ~。
神門には当然のことながら、前田家の家紋『加賀梅鉢』が彫られています。
木彫りのみで、装飾は施されていませんが、鶴と松の写実的な描写は見事です。
境内の内側からみた神門。三連式アーチの第一層からステンドグラスが埋め込まれた第三層まで、三層の作りになってます。
この日、金沢市内でもよぉ~やく桜が開ききろうとしている頃合いでした。
兼六園だともう少しソメイヨシノの木が植えられてるんですけど、尾山神社はそもそも桜の木が少ないのです...(^^;)ハハハ。
神門をくぐると真正面に本殿です。パッと見た感じ、神社の本殿というよりもお寺の本堂みたいな感じがしますが...。
明治に入ってからの創建だったら、明治の神仏分離以降だと思うンで、あまり仏教的な影響はなかったと思うんだけど......。
“加賀は百姓の持ちたる国”の通り、一揆勢力が根付いていた土地柄なんで神社仏閣の建築においても、棟梁の設計思想に仏閣の要素が溶け込んでいたためなんでしょか?
なんかこのあたりの歴史文化の影響を調べてみるのもオモシロそぉ~。
当然のことながら、本殿の両脇には狛犬さんが控えてございます。けっこうリアルな出で立ちの狛さんですなぁ~。
ちなみにこちらは阿ぁ~さん。
こちらは吽さん(笑)
これは本殿の格天井。おそらく金と加賀友禅の配色を用いた見事な格天井ではありますが、やはり疑問が。
Wikipedia先生に問い合わせてみると、
平安時代以降の和様の仏堂では梁・桁の下に格子を組んだ天井(格天井)を造るようになった。格天井は格縁天井ともいう[1]。組入天井では構造材(梁・桁)を見せるが、格天井では構造材を隠してしまう。和様特有の天井の低い穏やかな空間が生まれるようになった。
と、やはり仏堂にみられる様式っぽいんですよねぇ~。明治以降創建の神社本殿に仏堂建築様式?謎は深まります。
梁の細工も見事です。
お寺の本堂と明らかに違うのは、本堂内部に本尊が安置されているのではなく、藩祖前田利家公の御神体は本殿の裏側に鎮座ましましてございます。
境内には藩祖前田利家公ゆかりのモノがちらほら。
こちらは『お松の方座像』です。
お松の方がいるのであれば、当然藩祖前田利家公もいらっしゃいます!
前田利家といえば、織田軍団馬廻衆のなかでもエリート部隊の赤母衣衆!
その時の精悍な前田利家の像が本殿の脇を固めてます。
前田利家の異名といえば、『槍の又左』!なので、颯爽を槍を携えてます(笑)
境内の桜もこの日満開を迎えたことでしょぉ~。
また、尾山神社境内にはもう一つ神社が列せられています。
境内摂社の金谷神社。こちらには歴代の加賀藩藩主が祀られているそぉ~です。
ちなみに、鳥居の横棒は日本とも縦の柱からはみ出ているんで、こちらの神様はみな男神ということですなぁ~。
まぁ、歴代藩主なんでみなさん男性だろうけど(笑)
本殿の脇にはこんなものが。触られ続けて数百年。さし石の角も取れ、丸みを帯びています。
当然のことながら、ボクも触って健康祈願です(笑)
さし石の他にも本殿の周りにはオブジェが点々としています。
この蓮の葉はなんだ?と思い近づいてみると......。
金色の蛙が登ってます(笑)
題名は『夏の夕刻』。
詳しくはこちらを参照くださいな。
境内を何の気もなく撮りまくっていた中の一枚。
赤松の幹の色と空の青、それに松の葉の緑の配色がなんかCGみたいに写ってます(笑)
それと前田利家の兜といえば、このニュルンと伸びた『鯰尾兜』。
この鯰尾兜も境内のオブジェとして飾られています。
しかしまぁ~馬に乗って、さらにこのニュルンと伸びた鯰尾兜を被った槍の又三に攻められたら相当な迫力でしょぉ~なぁ~。
そんなこんなで、祈願祭の集合時間に相当早めについてしまったんで、改めて観光した後はしっかりと今年度の職場の安全祈願を勤め上げつつ、すっかり忘れていた我が家の初詣も兼ねて、神頼みをしてきたのでありました(笑)