先日紹介した職場近くの普段使いできそうなお蕎麦屋さんの『むさし坊』さん。
春も終盤、梅雨に向けてここのところいっきにムンムン蒸し蒸しと不快指数が日々上がるこの時期になると、サッパリしたものが喰いたくなるのです。
ということで、あっさりサッパリという赴きなときにはざるそばなのです!
前回頂いたのは、越前蕎麦っぽい大根おろしに鰹節がワッサァ~とかかったおろしそば。
メニューを選ぶ際に気になったのが、『ざるそば(辛口)』なのです。
ということで、今回はざるそば(辛口)に鰊の甘露煮で冷やしにしんそば!なのです(笑)
蕎麦はコシがあって、喉越しツルツルというよりもけっこう咀嚼する感じ。
見た目綺麗で、ツヤツヤしております。
ざるそば(辛口)たる所以はこの辛み大根。
辛み大根の汁ではなく、大根おろしでいただきます。
これが、辛すぎず甘すぎずのちょうどいい塩梅で、かつ口の中には清涼感が漂うといいますか、好きです!これ。
そばつゆには特徴があります。
それほど醤油が濃くない感じ。前回のおろしそばの時にも感じましたが、ほんのり甘味を漂わせる味わいです。
そば屋さんでにしんそばなんぞ喰ったこと無いンですが、お店の雰囲気的とか金沢だったりという先入観からか、にしん旨いンぢゃねぇ~の?ひょっとして??との欲望が頭を持ち上げてきて、頼んでしまった鰊の甘露煮(笑)
しかも、結構デカい!?鯖の塩焼き以上のボリューム感でございます...(^^;)ハハハ。
というか、老舗のそば屋さんではたいていにしんそばを扱ってますが、そもそもなんで『鰊』限定なのだろうか?と。
鰊がありなら、サバでもアジでもいわしでもいぃ~ンぢゃね?とも思うンです。
なので、Wiki先生に聞いてみました。
Wiki先生によると『にしんそば』とは、
身欠きニシンを扱ったニシン料理の一つである。
江戸時代より、蝦夷地(現在の北海道)はニシンの漁で繁栄していた。冷凍・冷蔵技術や輸送技術が未発達だった当時、水揚げされたニシンは乾燥品の身欠きニシンに加工されたのち、北前船などの海路で本州に移出されて流通し、長期保存が可能な海産物として重宝されていた。
ちなみに『身欠きにしん』とは、
かつて北日本、特に北海道の日本海沿岸では、春になれば海が白子(精子)で海岸が白く染まるほどニシンが押し寄せ、漁獲されて浜に数尺の高さに敷き詰められたニシンの上を、人が往来するほどだった。江戸時代からニシン漁で各地の漁村が栄え、ニシンで財をなした各地の網元の「鰊御殿」と呼ばれる豪邸が、今も当時の栄華を伝える。水揚げされたニシンは番屋などで干物や鰊粕に加工され、内地に流通(北前船を参照)させることで、蝦夷地開拓の資金源の大きな助けとなった。一方、内地に渡来した身欠き鰊は、保存に便利なタンパク源として各地に流通した。
という歴史的な経緯がある食べ物なんだそうで。
そんな、北前船が行き交う日本海の荒波を想像しながらいただきます。
ただの煮ものと違って、身の中までしっかりと甘露ダレが染み渡った鰊の身です。
甘露にとはいえどそれほど味は強くなく、金沢らしいちょうどいぃ~塩梅(笑)
ご飯が喰いたくなってきます。
最後はそば湯を堪能してごちそうさまでございます。
けっこう満足度高かった『ざるそば(辛口)』。
暑くなるにつれて通いそぉ~ですが、この『むさし坊』さん、お昼営業しかしていないにもかかわらず、営業時間終了前にお店を閉めてしまうこともございます。
この日もボクが入店したのは13時前でしたが、すでにボクの分がそばの残りの最後だったよぉ~で、ボクの後に来られたお客さんはそばにありつけませんでした。
なので、むさし坊さんにお越しの際は早めにおいでになった方がよろしぃ~かと。