進むべき方向を見定めて、ガジェット箱を整理して身も軽くなり、嗚呼ぁ〜これでこの沼から脱出できたっ!と陸地に足を踏み出したつもりがそこも新たな沼だったりしたことはないだろうか?
ボクは陸に上がったつもりが、次の瞬間にはとなりのLeica沼に足を絡め取られてしまったらしい...(遠い目)。
カメラ沼というのはボディ沼、レンズ沼以外にもアクセサリー沼というモノが存在するらしい。
そんなアクセサリー沼の中でも、特にLeicaのアクセサリー沼は質が悪いと聞く。
ボクが新たに足を踏み入れたアクセサリー沼から陸地を望むと、ご丁寧にも『アクセサリー沼(Leica編)』と書いてあった.........ヤレヤレ。
沼に足を絡め取られてしまった以上、バタつかないとそのまま底なし沼に埋まってしまうのが怖いところである。
今回ボクがバタバタしたのは外部ファインダーとレンズフード。
なにせ、買取額が全て上限という想定を上回る予算を確保できてしまったので、今のボクは万能感に満ち溢れているのであるっ!!<注:ただのバカです。
実は買い取ってもらった後に新宿西口界隈の中古カメラ屋さんでLeicaの35mmと50mmの外部ファインダーを探してみたのだが、なかなか納得出来るものが無く...。
中古のLeica製品となれば、新宿がダメなら銀座なのである!
なので数寄屋橋から昭和通りへと続くLeicaロードをくまなく探索の旅に赴いたのである。
その中から、これまでその気品溢れる佇まいにボクの様なナンの変哲もない凡人には近寄りがたいカツミ堂で見つけてしまったのであるっ!?
これまでのカツミ堂のボクの勝手なイメージは、凡人には目もくれず銀座界隈の旦那衆相手に他店よりもクオリティが高く、その分値段も高めな中古カメラ製品を提供するお店という印象だった。
たしかに、ガラスケースに鎮座坐していらっしゃる外部ファインダーの煌びやかなお姿をお見かけして、
♂『こちらを拝見させていただいてもよろしいでしょうか?』
といつも以上に敬語を使いまくる言葉を発するのにかなり躊躇するくらいの気品と重厚さを滲ませる接客なのである。
でも、この日のボクはいつもとは異なり万能感漏れまくってまっせ!なバージョンだったんで、意を決して口から文章を発したのだ。
♂『こちらを拝見させていただいてもよろしいでしょうか?』
出された2つの外部ファインダーは文句の付けようもないクオリティ。
まさに噂に聞いていた、LeicaがLeicaであった頃の光り輝く工芸品そのものだったのである。
ボクは一も二もなくホクホクの懐からホク分くらいのお札を差し出し、2つの外部ファインダーを我が家にお連れしたのである。
ご丁寧にカツミ堂さんのフェルト生地の袋に入れていただいて(笑)
フェルト袋からブツを出すと、これまた想定外っ!?
まさかオリジナルのパッケージもついてくるとは...(^^;)ハハハ。
これまで購入してきた中古品は大抵パッケージなんてモノは無く、本体そのものだけだったんで、オリジナルのパッケージに入ってくると緊張するのだ。
ましてはLeitzのロゴが入ったパッケージともなると、捨てるに捨てられなくなってしまうではないかっ!?
そんなLeitzパッケージの中身は、左が35mm外部ファインダーSBLOO、右が50mm外部ファインダーSBOOIである。
ファインダーってカメラ本体に付いてるモンじゃないの?と今の人は不思議に思うかもしれない。
がっ!?60年以上も前のお爺ちゃんLaicaの時代には、一眼レフもなくボディに装着するレンズに合わせてファインダーも取り替える必要があったのだ。
今の合成樹脂製と違い、金属とガラスのみで構成されたまさに工芸品の極である。
ちなみにSBLOOのほうは縁の上の方に一部当たりがあったんでお安めだった。ボディもガタの入ったお爺ちゃんLaicaなんでボクにはそんなちっぽけなアタリは関係ないのである!
前方は四角く、接眼部は丸鏡胴なSBLOO。
前方のアタリ以外はどこも問題は無い。
こちらはどこも問題がなかったSBOOI。
50mm外部ファインダーは作りが簡単なのか、とてもシンプルな造形だ。
Leica ⅢfにSummicron 50mm f2.0を装着し、50mmファインダーのSBOOIを装着したお爺ちゃんの勇姿である。
なんと神々しいことだろうか(笑)
Leicaの外部ファインダーの出来は特に素晴らしいと聞く。
ファインダーを覗くと、実際の裸眼で見る景色よりもより明るく鮮明に写ると。
以前購入したVIOOHは結構曇り気味だったンで、カツミ堂でファインダーを覗いたときもあまり期待していなかったが、ファインダーを通して見る景色に思わず息をのんだというのは事実である。
まさかと思ったが、たしかに裸眼でみる世界よりも美しいのだ。
Leitz社は当時どんな魔法を使ったのだろう?
35mmのSBLOOはどうか?とⅢfにVoigtlander COLOR SKOPAR 35mm f2.5を付けてみる。
バルナック型のⅢfには少々大きすぎてバランスが悪い...(^^;)ハハハ。
でも、SBLOOを通してみる世界はSBOOIよりも鮮明で美しい。
さすが外部ファインダーとして評判の高いSBLOOである。
基本的に、Mシリーズからはブライトフレームが複数搭載されて、あまり外部ファインダーのお世話になることはないのだが、いちおうM4にも付けてみる(笑)
こちらはSummicron 50mm f2.0にSBOOIの50mmの組み合わせ。
M4にはSBOOIはちと小さすぎてバランスが悪い...(^^;)ハハハ。
こちらはSummaron 35mm f2.8にSBLOOという35mmの組み合わせ。
M4にはSBLOOのほうが似合うかも。
でも、M4には35mmのブライトフレームが内蔵されているから付けなくてもいぃ〜ンだけど...(^^;)ハハハ。
とはいえ、ボクのM4のファインダーの状態ではあるが、内蔵ファインダーよりもSBLOOを通した世界の方が、よりクリアで綺麗なのだ。
SBLOOもSBOOIもどちらもそうだが、どこからか光を反射させているのだろうか?ただ単に空気と瞳の間にガラスを置いただけであんなにもクリアに見えるようになるとは思えないのだが?
また、両ファインダーともにほぼ実像と1:1なのだ。
なので、両目を開けてファインダーを覗いてもナンの違和感もない。
これはM2以降倍率を縮小されたファインダーを持つM4ユーザとしては結構驚きである。
ほぼ実像のままというM3のファインダーではこのように大きく見えるのだろうか?
これはまたいつかはM3!と興味が沸いてしまうではないかっ!?...(^^;)ハハハ。
さらにこちらはレンズフード。
現代のレンズであれば、精巧なコンピュータ設計にガラス硝材の進化やコーティングの技で、わざわざレンズフードなどしなくとも余計な光を遮ってくれるだろうが、50年代、60年代のレンズにはまだそれほどの性能がないものも多く、レンズフードによって余計な光量を遮って、フレアやゴーストを防がねばならないのである。
我が家のレンズはVoigtlanderの35mm、75mmの2本のレンズを除いては、50年代、60年代のレンズばかり。
先日購入した沈ズミ様のSummicron 50mm f2.0も当然のことながら50年代モノなんでフレアやゴーストさんを招き入れやすい体質なのである。
ということで、同年代のレンズフードがこちらのSummicron 50mm、Summaron 35mm専用フードであるITDOO。
ちゃんとレンズフードキャップも付いてました。
これがあるのとないのとでは、後々かなり使い勝手が変わってくる。
当時の金属製フードというのは、外部ファインダーと同様に独特の工芸品としての品がある。
このSummaronとSummicronのフォントも気を抜かずに美しい。
レンズフードキャップを外すとこんな感じ。
まだLeica社がLeitz社であった頃の『Ernst Leitz GmbH Wetzler』の刻印が誇らしく感じられる...(遠い目)。
ラッパ型のフードの内部は溝が切られている。
裏側の接合部にはこのような爪が。
この爪をレンズの溝に引っかけてフードを固定するのだ。
例えばSummicron 50mm f2.0だとこのレンズ先端部の二重のギザギザの間の溝にITDOOの爪がハマるワケである。
フードの『Ernst Leitz GmbH Wetzler』の刻印の部分にあるボタンを押して爪を引っ込ませてから、レンズに被せてボタンから手を離すとカチッとハマる仕様なのだ。
このハマり具合も感動である。
まるで最初からレンズとセットで作られていたのではないか?と思うほど、グラつきもなくしっかりとハマるのだ。
こういうところにもけして手を抜かないLeitz社の職人の気質が現在にまで至るブランド価値を高めていったのであろう。
このいかにもカメラっす!といわんばかりのフォトジェニックさにボクはハァ〜ハァ〜が止まらないほど萌え滾るのだが、実はⅢfにITDOOという組み合わせは致命的な欠点がある。
ⅢfにITDOOを噛ました状態で、Ⅲfのビューファインダーを覗くと、このように右下から中央にかけてけっこう盛大にケラれるのだ...(^^;)ハハハ。
なので、そういうときこそ50mm外部ファインダーであるSBOOIの出番なのであるっ!
Ⅲf本体は50mmファインダーなんだから、50mmの外部ファインダーなんていらないじゃないかっ!
などと嘯くのは素人なのである......フッフッフッ<注:ただのバカです。
SBOOIから覗くと、ITDOOの影響は全くなく、しかも現実以上の美しさで視界が覆われるのである。こんなに魅力的なカメラからの贈り物はあるだろうか?
最新のOLYMPUS PEN-FにM.zuiko 12-100mm IS PROの組み合わせで、これほど綺麗な世界を見せてはくれなかった。
さらにはこのITDOO、Summicronを沈胴させない状態であれば、このようにフードを裏返してコンパクトにレンズキャップとしても利用可のなのだ。
それ故、ITDOOにフードキャップが有るか無しかで、随分このレンズキャップ替わりの使い方が出来なくなってしまうのである。
というワケで、これからITDOOを探し求める貴兄はこのフードキャップの有る無しをしっかりと確認した方がよろしいかと。
後々の幸福度&満足度がかなり違ってきます(笑)