いまから四半世紀以上前。
群馬から上京してきた田舎育ちの学生が東京ではじめてハマった食べ物はスパゲティだった。
上京して初めてスパゲティを食べたというほど田舎育ちではないんで、地元にいた頃からスパゲティは好きだったのだが、なにせ田舎なモンでスパゲティ専門店というモノは少なく...(^^;)ハハハ。
それが大都会東京に出てくるやいなや、大きな街には大抵3つ4つとスパゲティ専門店があるンで、ハァ〜ハァ〜しながらお店開拓な日々を暮らしていたのだ。
そんな中でも一番のお気に入りだったのが、渋谷宮下公園あたりの明治通りの向かいにあったポイント10。
このお店ではじめてタラコウニイカスパゲティを口にした時は衝撃で、以来渋谷でデートともなると足繁く通っていたのだが、数年後には閉店......。
常に行列が出来ていて繁盛店だったのにどうしたんだろ?
時はバブル真っ最中で、入居しているビルのオトナの事情とかも合ったのかもしれないと自らを納得させつつ、でもあのポイント10の味を味わえない悲しみに包まれたりもした甘酸っぱい想い出なのである。
しかしっ!?いつまでも今は無きお店を恋しがってもいられないと、あらたにスパゲティ専門店を開拓しているうちに、ついに巡り会ったのであるっ!?
それは新宿野村ビルに入っている『ハシヤ』さんっ!!
学生時代〜社会人の20代は新宿駅をターミナルとする沿線で暮らしていたンで、新宿駅周辺が一番行きやすいデートエリアだった。
そんな中で出会った『ハシヤ』さん。
そんなハシヤさんとの出会いのなにが衝撃だったかというと、あの忘れられない味のタラコウニイカスパゲティにナスとベーコンのトマトソースというポイント10で好んで注文していたツートップとほぼ同じ味のスパゲティと再会したのである。
以来、20代のボクはスパゲティが食べたくなると、デートであろうとお独り様であろうとこのハシヤさんに足繁く通うこととなる。
そんなハシヤさんとも、20代後半に虹橋の向こうの箱庭の街に移住すると生活圏から切り離されて、めっきりご無沙汰状態だったのだが、先日久々にお邪魔してみたのだ。
あれから四半世紀近く経っているにも関わらず、お昼時には行列ができている『ハシヤ』さん。
この日も結局20分ちかく並んでようやく店内へ。
ホントはシェフの気まぐれメニューとかいろいろチャレンジしたいところだけど。
このナスとベーコンのトマトソーススパゲティも正直捨て難し。
でも、やはりここではこれしかないのです。
ボクにとっての青春晩年の味、タラコとウニとイカのスパゲティ!
店内はこんな感じ。
イタリアンとか肩肘張ったお店では無く、あくまでニッポンのスパゲティ専門店なんで、お独り様のオジ様も安心してご来店可能(笑)
厨房では常時4人のシェフが次から次へとスパゲティを仕上げていきます。
最近は粉チーズが無料ではなくトッピングメニューとして別料金にしてたりするお店も多くなってきた中、ハシヤさんは昔ながらに無料で提供!感謝感謝!!
そして、何年ぶりだろ?多分10年以上は喰ってない気がするハシヤ名物のタラコとウニとイカのスパゲティ!!
いやぁ〜もう匂いからして懐かしすぎるし、昔の想い出が蘇ってくるしで、お腹よりも先に胸が一杯になりそうな予感...(^^;)ハハハ。
この生うにとか小賢しい演出ではなく、瓶詰めウニにタラコの風味とそれを全体的にまろやかにまとめ上げるバターのコクが、これ以上にないB級感を醸し出しているのです。
いやぁ〜やっぱりハシヤさん、サイコーですっ!!