プレーンテキストとの出会い
前回のエントリーで以前からアウトライナーには興味があり、実際OmniOutlinerは導入していたということを書いた。
ボクが入社したころはまだMS-DOSの時代で、Config.sysやAutoexec.batを弄くり倒して自分のPCの実行環境を使いやすくカスタマイズして使っていたのだ。
その頃各ファイルを弄くるのに使っていたのがテキストエディターのMifesで、どうにもこうにもプログラムのコーディングに馴染めなかったボクは、Mifesでテキストファイルを弄くることで、なんとなく開発チックな自己満足を得ていた...(遠い目)。
実行ファイルでは中身が見えないがテキストファイルであれば中身が見える。テキストエディターさえあれば弄くれるということにささやかな快感を得ていたボクは、いつしか『プレーンテキスト』というものになんとなく勝手な可能性を感じていたのだ。
そんな中、時代はいつしかインターネットの商用利用が解禁され、仕事でSGMLだのなんだのに手を出していたボクにとって、HTMLというモンは入り込みやすかった。
当時HTMLはSGMLのサブセットといわれていたのである。文章を構造化するためにタグを用いて、ブラウザはそのタグを理解して表示させる。
非常にシンプルでわかりやすい。HTMLファイルはプレーンテキストなんで、テキストエディターで開けば中身も解る。システムのプログラムと違って、その中身は文章なんでタグで囲まれていても内容は理解できる。
なんか、文系でも楽勝じゃん!と勝手にこれなら自分の出番ナノだっ!!と勘違いしたのである(笑)
そんな『構造化フォーマット』という流れのなかで、アウトライナーというモノに出会った。
アウトライナーへの憧れ
プレーンテキストの使い道の拡大ということではハイパーテキストは可能性を広げてくれた。それ以外に、テキストをため込んで再利用するという面で、当時テキストの保管庫としてはテグレット社の『知子の情報』というデータベースソフトにお世話になった。
とにかくテキストエディターとして使って、テキストをそのままDB化できたのだ。そして、必要なときには全文検索で引っ張り出すというテキストマニアには必須のソフトが『知子の情報』だった。
今はこの手の用途を満たすツールとしては使い勝手もインタフェースも格段の進歩とともにEvernoteに変わっている。
ってか、まだWin8対応版とか知子さんもご活躍のようで、若かりし頃にはボクも知子さんのお世話になりました...(^^;)ハハハ。
しかし、この『知子の情報』型の文章データベースというモノには、保管して容易に取り出すという面では十分ボクの目的は足したモノの、対象となるモノはある程度完成された文書に限られていた。
ネタのネタ的な文章の欠片をいくら知子の情報に保管していても、欠片の文章と欠片の文章を取り出し、繋ぎ、流れを付けて完成品に近づけていくという文書構成を考えるにはちと仕様が違いすぎたのである。
そんな時分にロジカルライティング流行とともに、アウトラインを意識した執筆のためのツール『アウトライナー』、『アウトラインプロセッサー』というモノに出会った。『構造化フォーマット』ならぬ『文章の構造化』というモンである。
しかし、その使い方を誤解していたということは前回のエントリーの通り。
自分の記録では無く、自分の思考を摘まんで置いておく。
今回、『アウトライン・プロセッシング入門』でアウトライナーとの向き合い方を変えてみたことを契機に、ボクの日々のくだらない思考の種をアウトライナーにぶち込んでおくのはどうか?
と昔の『知子の情報』を弄って遊んでいた頃思いだし、このアウトライナーを中心に据えて構築し直す事にした。
まず中心のツールとしてはやはりOmniOutlinerをベースに、というかよぉ~やく長年使い勝手がよくわからなかったOmniOutlinerの使い方を学習できたんで、これを使わない手はない。
OmniOutliner Pro
カテゴリ: ビジネス, 仕事効率化
今の時代はパソコンの前に座っているときだけがアウトプット出来る環境というわけでは無い。『いつでもどこでも記録が出来る環境』を構築出来るかどうかが重要。
幸い、OmniOutlinerであればMacとiPadやiPhone間でのファイル同期は、Omni社の無料クラウドサービスであるOmniPresenceを介せば可能である。
これで、Macが手元にあるときはMBPだろうがMBAだろうが手持ちのマックでOmniOutlinerのファイルを開き、とりあえず赴くままに種を蒔いておく。内容はほぼ同時にOmniPresenceで同期されるんで、外で書きたいときにはiPhoneやiPadのOmniOutlinerで引き続きファイルを更新することが可能になる。
OmniOutliner 2
カテゴリ: 仕事効率化, ビジネス
このクラウド利用により場所の制約から解放されるようになったということは、このような日々の思いつきを記録しておくような使い勝手を指向するにあたって、これまでとは全く違ったエポックメイキングなことなのだ。
だって、人間て机の前だけで思考しているワケじゃ無いから。
いつでもどこでも、歩いているときでも寝かけているときでも人間は思考している。
その思考の種をくだらなくてもいいから取り出して、とりあえず保管しておくというのは自分が普段どんなこと考えて生きているのか?ということを少しでも把握するには、いつでもどこでも同じファイルを触れるという環境が理想なのだ。
そして、ボクの思考を管理するファイルは一つに限定する。
これは用途に合わせてファイルを分けてしまうと、いざ書き出そうとする際にどのファイルに書くべきかとその度毎に判断するプロセスを加えなければならないからだ。
書くときにはあまりその辺の判断を入れること無くとりあえずぶち込めた方がいい。あとで整理すれば良いのだ。なので、ファイルは一つ。
この『思考DB』とするファイルに、仮に『Seeds』と名付けた。思考のネタの種の羅列になるだろうから。その種の分類は大きくBlog Seeds、Private Seeds、Work Seedsと未分類の大きく4つの種の箱を用意した。
まずこのファイルを開いたら、ナニも考えずに未分類の見出しに書き込んでおく。後のレビュー時にブログネタなのか、個人的なモノか、仕事に関するモノかで種の箱に分類する。
まとまった項目には見出しを付けアウトプット可能になるまでシェイクする。これは『アウトライン・プロセッシング入門』でTakさんが度々紹介していたやり方だ。
この『未分類』という項目はシェイクと同様にTakさんの発明だと思う。とりあえずは未分類。
これでプロセスが明らかに一つは減る。そして、未分類というある種ごった煮の中に項目が埋もれることにより、文字通り思ってもいなかった項目同士が結びつき発酵する偶然性が生まれると思うのだ。
これは従来のアウトライン文章法ではあり得ない効果である。これまでのやり方は偶然性どれだけ排除出来るかという点に重点が置かれていたわけだから。
この一つのプレーンテキストのファイルにボクの思考が今後どんどんため込まれていくと、テキストマニアのフェチ心が擽られる。
おそらくOmniOutlinerも開発側のこういう使い方という前提はあるのかもしれないが、国内の先駆者のアイデアをもらいながら自分なりの使い方をするのが正解なんだと思う。
とりあえずひさびさにテキスト収集に萌えてみようと思います(笑)
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