うちの相方さんと付き合うことになるまでの12年間、ボクは虹橋の向こう側の箱庭の街で暮らしていたのである。
週末ともなるとかもめに揺られて虹橋を渡り新橋に出てきて、そこから中央通りを銀座方面へ。
銀座から有楽町に向かい、そして有楽町から新橋までとこの新橋〜銀座〜有楽町〜新橋という回遊路の散歩がボクの毎週末のお楽しみのようなモノだった。
今回ご紹介するこの『麵屋ひょっとこ』さんはそんな90年代後半には交通会館の地下で営業していることは散歩の過程で横目で見かけていたのでである。
しかし、90年代後半から00年代にかけて、世の中らーめんといえば背脂たっぶり醤油豚骨系だったり、魚介豚骨Wスープだったりと濃厚なスープを押したらーめんがブームであり、ここ麵屋ひょっとこさんのような昔ながらの和風らーめんには全然興味が沸かなかったのだ。
なので、当然のことながら一杯食したこともなく幾星霜。
時代は00年代も暮れようとする頃に、またいつものよぉ〜にひょっとこさんの前を通ると、いつの間にか行列の出来るお店に!?
多分なんかのメディアで紹介されたのかもしれないが、ひょっとこさんの店先にエラい行列が出来るよぉ〜になっていたのである。
しかし、それでもボクは依然として濃厚系のスープが好きであり、これはボクが食べたいラーメンではないのだっ!と通り過ぎてきたのである。
それからさらに月日は経ち、実はこの夏辺りからこれまで何があろうと美味しさしか感じてこなかった濃厚系スープのらーめんがやたらと胃に凭れるよぉ〜なお年頃になっていたのである...(^^)ハハハ。
ある日、家でどぉ〜してもお腹がすいた時に買い置きしてあったサッポロ一番塩らーめんを食べたときにそのアッサリとしたシンプルな味わいに感動を覚えたのだ(笑)
あ゛っ!?今、ボクがらーめんに求めているモノはこの優しさなのであると。
らーめんへの新たな愛情が芽生えた瞬間なのである。
ということで、食べず嫌いで通してきたこの十数年の月日を経て、ついに麵屋ひょっとこさんに潜入したのですっ!!!
お店は交通会館地下1階の通路に面して開けっぴろげ。
入り口もナンもありません。
カウンターのみ8、9人程度でいっぱいいっぱい。
でも、お年を召したおじちゃんが手際よく次から次へと出していくので、行列が出来ていてもそれほど待たずに席に着けます。
まずは店先の券売機で食券を購入。
この有楽町とか新橋、虎ノ門界隈のラーメン屋では『柳麵』て書くところが多いですなぁ〜。なんの影響なんだろ?中華屋さん??
ここのらーめんは流行のらーめんとは違い昔ながらの和風らーめん。
濃厚こってりに慣れた舌には若干あっさりしすぎるのではないかと、若干こってりを求めて、和風柚子焼豚麵をご注文です。
でてきた和風柚子焼豚麵がこちらっ!
和風流麵と違い、和風柚子焼豚麵には焼豚が3枚。
それにゆで玉子、コリコリ食感が楽しめる太めのメンマに長葱。
焼豚はそれ自身にも味が染みこんでいて、スープの熱でトロトロになる今風なトロトロ系焼豚です。
そしてなんということでしょう!?脂の鏡面化では無く、ホントに透き通った和風スープ。
これっていちおう醤油なんだよなぁ〜。色合い的に塩らーめんでも通じるよぉ〜な感じだけど...(^^)ハハハ。
そして麵は細麺。このあっさり系スープでは細麺できまりでしょっ!太麺じゃスープが麵に負けちゃいますからねぇ〜。
ということで、なんだかんだ言いながらよぉ〜やく足を踏み入れた麵屋ひょっとこさん。
なんといってもその和風スープが胃に優しい!こんな透き通ったスープなのにしっかりと出汁も効いていて最後の一滴までスープを飲み干せるほど優しいのです。
この優しさは濃厚ラーメンに疲れ始めた今のボクにピッタリっ!(笑)
そして、その優しさは胃が疲れた男子だけで無く、20代、30代といった女子もお一人様で麵屋ひょっとこさんに訪れるほどなのです。
場所柄という面もあるにせよ、これだけ気軽に女性がひとりで立ち寄るらーめん屋さんというのも珍しい。
そんなこんなで、らーめん界の一服の清涼剤、『麵屋ひょっとこ』さんの和風柳麵オススメですってっ!!!