ある日突然結成された『いたるの今後を考える会』。
しかし、すいませんm(._.)m
わたくしこれまでいたるさんには香林坊店に2回ほど赴いた限り。本店様々に詣でることすらままならないこんな下衆なわたくしめをおそれおおくもいたるの今後を考えるというような大それた秘密結社の末席に加えていただいて大変ありがたく未来永劫我が家の埃、いやいや誇りとさせていただきたく存じます。
きっかけはムーな社長の金沢入りだったのである。
ってか、金沢来過ぎぢゃねぇ〜かっ?ムー社長???
ムー社長の金沢入りにともない、どこで集会するかとなんやかやと。
時期的には北陸新幹線開業後。
金沢の巷では押し寄せる観光客を一人でも我が店にと有象無象が手ぐすね引いて待ちかねている香林坊片町界隈である。
そんなあぁ〜でもないこぉ〜でもないという男たちを尻目にバサッと切れ味よろしい一言を放った女史。
『のど黒飯を食べましょうよ!』
これはなにかというと、
これまで金沢市内に三店舗展開していたいたるさん。
・柿木畠の『本店いたる』
・『香林坊いたる』
・同じ柿木畠の『魚焼いたる』
この中の魚焼いたるが北陸新幹線開業に伴い店内改装どころか店名も変えて、3/14に『のど黒飯本舗いたる』として新装オープンしたお店の一押しメニューなのである。
たしかにのど黒は美味しい。
年がら年中楽しめる北陸のお宝である。
しかしっ!?
これまでべつにのど黒押ししてこなくても魅力的なメニューでお客さんを引き込んできたいたるさんが、そんな冒険する必要があるだろうか???
しかも、予約は受け付けていないという。
まぁ〜適当なオトコ連はダメだったらほかのお店にしましょぉ〜とかなんとかで当日を迎え、ボクはムー社長を伴って現地入り。
道中いたる本店の前には行列がっ!?
こらぁ〜新装開店の方のいたるは激混みではあるまいっかっ!?!?混んでたら本店にしよぉ〜と軽く考えていたモンで、どっちもいっぱいだったらどぉ〜しよぉ〜と恐る恐る『のど黒飯本舗いたる』の門を潜ったのである。
したら、どぉ〜いうワケか新装開店の方は結構席が空いているのである。
男二人フゥ〜と方をなで下ろし、まずは一杯。
いつもとかわらず来し方行く末を話しているうちに、さきほど本店に並んでいた女子軍団もこちらに流れてきており...。
そぉ〜こぉ〜するうちに姉ぇ〜さんもご到着。
さてさて、まずはいたるらしくうまい肴でも頼みましょぉ〜かっ!
とメニューを見たところ...。
いやいや。
そんなことはございません。『夜のお献立』がペラペラパウチッコの一枚モンだなんて...(^^;)ハハハ。
あの人気居酒屋いたるさんですよ!これっぽちというワケはございません。
店員さんに
『ほかにメニューは?』
と聞くと
『申し訳ございません。こちらの店舗ではぜひのど黒飯をオススメいたします』
と......。
いやいや、のど黒飯はもちろん喰いたいさぁ〜。でもほら、お刺身の桶とかなんとかいたるらしぃ〜のあるじゃないですか、といってもこの店舗ではホントにこのメニューしかやっていないらしい......。
アゴが半分ほどハズレかけましたが、なんとか持ち直し、そぉ〜だ、今日は皆でのど黒飯を喰らいにきたのだっ!それでいぃ〜〜のだっ!!
となんとか心の平静を保ちながらも、それだけぢゃつまらないので、酒の肴をいくつか注文。
まずは珍味三点盛り。
かにみそ、いか黒づくり、ほたるいか沖漬け。
どれもこれもいたるレベルのおいしさでございます。
多少の不安が脳裏をよぎりながらなんで、なんともかんとも...(^^;)ハハハ。
それとのど黒出し巻き玉子。
いたるさんといえば出し巻き玉子!!!
本店や香林坊店では何種類もの出し巻きメニューが取り揃えられており、板前さんは出し巻き職人かっ!というほど、ひたすらそればかり作り続けている人もいるくらいひっきりなしにオーダーが入る名物料理でございます。
しかし、これも『のど黒飯本舗いたる』だけにここではのど黒出し巻き玉子のみ。
もはや潔さも感じられるほどののど黒押し...(^^;)ハハハ。
でもなぁ~これのど黒がどこに入っているのかわかんないんだよなぁ~。
あ゛っ!?そぉ~かっ!出し巻だから、のど黒の身じゃなくてのど黒出しが入っているのだ!そぉ~だそぉ~だと心の平穏を無理繰り保たせます...。
つまみはそれくらいにして、これが今回ご所望ののど黒飯でございます。
釜に入ったのど黒出しで炊かれたご飯に、皮に焦げ目が付く程度に炙られたのど黒の切り身がワッサァ〜。
お店がどうこう心配する前に、これは誰が食べても美味しかろう!というしろモンです。
これをまずはそのまま釜からお椀に盛り直して、そのまま食します。
炙られた皮の香ばしさと白身のトロといわれるのど黒の芳醇さが加わり、このままでも知らない間に一杯食い尽くしそぉ〜な味わいでございます。
とりあえず、お椀一杯食べたら今度は薬味を載せてもう一杯。
胡麻の香りとわさび&ねぎの刺激でこれまたあ゛っ!?という間に食べ尽くし。
最後にお焦げの付いた残りのごはんをガッツリ盛って、薬味を入れた後に鉄瓶に入った出しをぶっかけましてののど黒茶漬け。
白濁した出し汁がたまりません。
想像通りの美味しさのハーモニー。
嗚呼、日本人でよかったと心底思わせてくれる幸せなひとときでございました。
総じて、やはりなんだかんだといってもいたるさん。一定レベル以上の料理を出してくれてます。
のど黒飯も新たな金沢名物になり得るのかっ!?!?
というところですが、一点検討の余地があると思うのが、鉄瓶。
のど黒飯はよぉ〜はひつまぶしの食べかたなんで、出しを入れるまでに時間がかかるわけです。
今回、そんなにノンビリ食べていたわけではないものの、最後のお茶漬けタイムの時にはけっこう出しがヌルくなってました。
気分を盛り上げるために見た目を狙って鉄瓶なんでしょうが、ここはも少し冷めないようなものに再検討すべきでは???
そんなこんなの『いたるの今後を考える会』結成後第一回の集会でしたが、当初懸念していたことはやはり気になるところ。
近くに本店もあるンで、コレまで通りのいたるとちょっと変化球のいたるでわけているのでしょうが、本店は行列、のど黒飯いたるは空いているという状況がそのままこのメニュー構成の限界を現しているんではなかろぉ〜か?
のど黒飯はたしかに美味しい。
でも、今後も通うか?となるとちっと考えてしまうのである。
他県の人が来たときにまさに飯のネタとして連れてくることはあれど、進んでのど黒飯食べにいこうとまでは行かないと思う。
だったら、普通のいたるでお刺身の桶だのなんだの頼んだ方がボクは楽しい。
やはり、『のど黒』押しが激しすぎて、メニューの幅が極端に狭められていることの限界と、小綺麗な観光客目当て感が出過ぎていることを、ジモティがどう評価するのかが余計なお世話ながらも心配である。
でも、のど黒飯はホントに美味しいです。是非是非一度はおいでませっ!!!