昨年、金沢転勤が決まって社内外の関係者に挨拶回りをした際に決まって言われたことがある。
その他大勢『金沢?北陸かぁ〜じゃぁ冬になったら蟹送ってください!』と。
......そんなオメェ〜らにいちいち蟹贈ってまわるくらいの財力があったら、朝から晩まで蟹喰いまくって痛風にでもなってやるワイっ!
と心の中で嘯いたもんである。
グンマーという海無し県で生まれ育ったボクとしては、蟹文化なんぞ全く縁がない。
蟹といえば、お正月に出されるタラバガニである。
蟹の味わいなんぞという高尚な愉しみなんぞ知る由もなく、太くででかいタラバの蟹の身をしょっぱかろぉ〜と喰らい尽くせれば満足な、そんな程度で十分幸せだったのだ。
それが、蟹の本場日本海側に移住してきて、皆が騒ぐ蟹がなんぼのもんぢゃいっ!とイキんでいたものの、1シーズン経験した後にはすっかり蟹の味わいを愉しめる舌になっておりました。
嗚呼、環境とはなんと恐ろしぃ〜ものなのでございましょう。
こんな贅沢舌になってしまっては、都内に戻ってから同じような蟹を食べようにもとても財力が追いつきませんっ!?!?
ということで、北陸の冬といえば蟹!ということを昨シーズンの冬でしっかりと学習したボクですが、そろそろ今週末から来週あたりには蟹漁も解禁っ!!という時期が迫ってきたンで、昨年の冬を今一度振り返るのです。
香箱蟹を中心に振り返る北陸・金沢の本格的な食シーズン!!!
の前に、『香箱蟹』とはなんぞや?と。
蟹といえば、タラバガニ、ズワイガニ、毛がにくらいしか知らないボクは、昨年の冬初めて『香箱蟹』という蟹の存在を知ったのです。
こちらの人はでかくて高い加能蟹よりも小さめで手頃なしかも季節限定の香箱蟹を良く食べると。
しかもこの香箱蟹、蟹の種類なわけではなくズワイガニのメス。ちなみに加能蟹は石川県沖で水揚げされるズワイガニのオスだということ。
ちなみに蟹漁解禁になるとアイキャッチ画像のヨォ〜に近江町市場ではそこかしこに蟹が並びまくるのです。
ズワイガニは土地土地によって色の違うタグが付けられていて、ちなみに加能蟹は水色のタグ。
石川県のプライドなのか、加能蟹は富山のズワイガニに比べて、結構お高め。
富山産でも十分美味しぃ〜のに、なんか石川のプライド分値段が上乗せされてるよぉ〜な気がして、加能蟹は鼻持ちならんのです(笑)
ということで、香箱蟹を中心にそれぞれのお店でどんなお仕事をされるのかおさらいなのでございます。
目次
八兆屋金沢駅前店
香箱蟹との衝撃の出会いはここ八兆屋金沢駅前店さんでした。
豊洲のお偉いさんが来たお付き合いで、ちょいと贅沢な注文を。
香箱蟹は身が小さいので、仕事ぶりに差が出やすいのです。
卵の外子に未成熟卵の内子、それに味噌をそれぞれ書き出してとりわけ、甲羅を器にしてまた丁寧に詰め込みます。細い手足の殻を食べやすいところでカットして身も食べやすく。
この八兆屋さんは結構丁寧にお仕事してました。
ちなみに初香箱蟹は小さいのにその分味が凝縮されており、今まで食べてきた蟹とは違う衝撃的な味でございました。
ちなみにこちらはオスメス揃い踏み!
加能蟹もしっかりと頂きました(笑)
はす屋
うちのメンバーの送別会で訪れた金沢駅から武蔵に向かって走る13号線沿いの居酒屋さん。
普通の居酒屋さんでも蟹漁解禁直後は目玉メニューとして一杯千円以下で提供されます。
こちらも内子、外子、味噌を取り出して、甲羅部に詰め直してますが、甲羅の内側の仕上がり具合で、仕事ぶりが評価できます。
だいたい、大箱の居酒屋さんだと身を取った後は何も仕事せずに、甲羅の裏側は汚いです。とってただ詰め込みなおす感じでした。
いたる香林坊店
ジモティも観光客もみんな大好きいたるさんでも、当然のことながら蟹漁解禁となると香箱蟹が提供されます。
いたるさんあたりになると、わざわざ香箱蟹食べなくても他にもオススメ料理が満載なのですが、一応冬の代名詞ということなんで、冬場に金沢に来ていただいた友人には香箱蟹をオススメするのです(笑)
大衆居酒屋とはいえ、いたるさんはやはりイィ〜お仕事しております。
詰め方はこれまでと同様ですが、前足をちょっとお茶目に飾り付けておりました。
味も申し分なしっ!!
嗜季
普通のお偉いさんくらいだったらちょっとした居酒屋でも十分ですが、そんじょそこらのお偉いさんどころではないお偉いさんがいらっしゃるとなると、それなりの割烹系のお店を御用意しないワケにはいきません。
接待に気をつかうものの、でも普段使いできないお店に行けるのでそれはそれでラッキーなのです(笑)
ここ嗜希さんはそんなお店。
場所も主計町茶屋街という小粋なところの町屋風の料理屋さんです。
以前エントリーで書いた通り、とにかく料理に限らず何もかも雰囲気完璧!
香箱蟹の仕事ぶりも他の追随を許しません。
甲羅の裏側も綺麗に無駄なく取り除いており、ネタのうまさも群を抜いておりました。
見た目も紅葉が添えられていて器の緑系の色と相まって綺麗なもんです。
嗚呼、今年も喰いたい。誰かお偉いさん来ないもんだろうか......。
番外編 すし玉
香箱蟹を手軽に食べたい!という方には金沢駅にあるすし玉さんがオススメ!
そろそろ冬の季節の3種盛りが出始めます。
左から香箱蟹、あん肝、真鱈の白子の3種ネタのセット。
香箱蟹単体のお皿もありますが、この3種盛りは北陸の冬ネタを満喫できる一皿です。
軍艦の中にも、内子と外子に香箱蟹の身もしっかり入っており、一貫で香箱蟹を堪能できる逸品です。
あん肝もここのはテリーヌのように一枚のスライスが載っており、濃厚だけど臭みのない味わい。
真鱈の白子はこっちでは普通に出回っているというなんとも贅沢な食環境ですが、プルンプルンでミルキーな白子はやはり新鮮ですなぁ〜。都内の回転ずしでたまに見かける鱈の白子の軍艦とは比べ物になりません。
番外編 とっくりや
最近ではいたる以上に注目度が高いとっくりやさんでも蟹メニューがあったりします。
ってか、ホントに名前が知れ渡ってしまったよぉ〜で今ではぶらっと寄ってもお一人様だろうが絶対に予約しないと入れないお店になってしまいました...(; ;)ハラリ。
まぁ、蟹メニューと言っても香箱蟹じゃなくてズワイガニですけど。
でもこれも以前ご紹介したエントリーで触れてますが、この料理ってカニサラダなんです。
カニも足しか、しかも器から溢れんばかりに積み上がってますが、この料理ってカニサラダなんです。
この足と甲羅の下にはちゃんとポテトサラダが入っているんです。
だからしつこいですがこの料理ってカニサラダなんです(笑)
と、こうして昨シーズンを振り返ってみると結構香箱蟹食べてたんだなぁ〜と。
しかも、香箱蟹はメスなんで漁ができる期間も短いんです。
11月明けくらいから、だいたい年末からお正月明けくらいまで。
正味2ヶ月しか味わえないのですってっ!!
の割にはよく食べたなぁ...(^^;)ハハハ。
なので、これから年末にかけて金沢にお越しの皆さまがたは、今の時期しか食べられない、この香箱蟹を是非、ご賞味あれっ!
あ゛っ!?ボクは食べたことないですが、金沢おでんの具として提供しているお店もあるそぉ〜です。
それも美味そぉ〜〜〜。