今年の春先、池袋北口のアパホテルの前を通りかかった際に奇妙な光景を目にしたのだ。
アパのレストランが大行列なのである。
以前一度だけこのアパのビュッフェに行ったことあるが、そんなたいしたモノでも無く、結局その一回だけでその後再訪することは無かった。
その程度のアパのレストランになにゆえ大行列が発生しているのだろうか?
コロナも明けて、また中華の爆買いツアーが押し寄せてフロントのチェックインの大行列なんだろか?
とその時はろくに確認することも無くそんなことを考えながら、ただ通り過ぎたのだ。
その後、ネットであのアパホテルにミシュランガイド東京で3年連続ビブグルマンに選ばれている『宍道湖しじみ中華蕎麦 琥珀』がアパホテルのレストランだったところにオープンしたと知る!?
あの行列はオープン直後の行列模様だったようだ...(^^;)ハハハ。
と、行列の謎は判明したモノのオープン直後は1時間の行列も辞さない覚悟が無いととのことだったので、なかなか重い腰を浮かすに至らず。
ボクはらーめん好きではあるが、らーめんマニアではない。
なので人より先に味わうことに悦びを感じたり、そもそも一杯の至高のらーめんを啜るために1時間も並ぶほどの覚悟は持てないのである。
さらにはご近所さんという、いつでもいけるからいいか!という謎の余裕でしばらく記憶の片隅に避けていたところ、春から梅雨に入り、梅雨も明けて日々猛暑が続く頃にはランチタイムをちょっとずらすだけで並ばずに入店可能なほどに落ち着いていたのである。
ということで、よぉ〜やく初入店したのは7月末。
オープンからほぼほぼ三か月ほど経ってからのことである。この頃になるとランチタイムだけでは無く、夜の営業日も増えていってるようだ。
ドアを開けると、まずは左側に設置されている券売機で食券を購入。
最近、やっぱり、こういう縦長のタッチパネル式の券売機が増えている感じ。
メニューはカテゴリーごとにタブで分かれており、これは中華蕎麦のメニュー。
スープは塩か醬油かということらしい。
こちらはいりこ/限定メニュー。
この日の都内のアスファルトの照り返しは40度越えという猛暑...(^^;)ハハハ。
煮干し昆布水冷麺なんかが絶対旨い気がしたが、まず最初は定番をいただこうと却下(笑)
こちらはつけ蕎麦メニュー。
つけ蕎麦は具が別皿のようなのでようやく理解したが、特上、上、並はどうやらチャーシューの種類の差のようである。
麵類の他にも大焼売/ご飯物のメニューがこちら。
わざわざ焼売を押しているようなので、これは頼まないワケにはイキますまい!!
店内は数組のみの程よい感じ。
というか、このレイアウトって以前のアパのレストランそのものではないかっ!?
右側の壁に沿ってビュッフェの料理を並べていたコーナーにはなぜか冷水ポットだけ並んでいた...(^^;)ハハハ。
ここって居抜きで借りてるってことだろうか?
厨房前にはお独り様向けのカウンター席が4席。
ボクはお独り様だったのでカウンター席に通された。
各席にはこのように専用のトレイにレンゲとお箸が用意されている。
こういう気遣いというか演出は、なんか旨いモノが出てきますぜ!という気にさせられる(笑)
調味料は胡椒とお酢のみ。
この日注文したのは、やはり暑すぎたんでつけ蕎麦メニューからつけ蕎麦(塩)上!
並との違いは豚バラチャーシューは2枚余計に付いてくる。
スープの中にも豚バラチャーシューが2枚入っているが、これは並も同じだろうか?
であれば、ボクはあまりチャーシューには興味が無いので並で充分な気もしないでも無い。
麵は中太ストレート麵で、全粒粉なんだろうか?茶色がかって小麦の風味が立ちのぼってくるかのよう。
味玉の黄身は御覧の鶏の赤々とした高い玉子使ってるんだろうなぁ〜という感じ...(^^;)ハハハ。
中太ストレート麵はツルツルとして喉越しが良く、ちゃんと冷水でしめているようでコシもあり麵としての主張がしっかりしているタイプ。
宍道湖しじみの出汁がしっかり効いている塩スープ。
ちょっとスープを啜ったが、つけ麺のスープである面塩気が強く感じたが、これはあくまでつけ麺のスープであるからこの味付けなのであろう。
麵をスープにくぐらせていただくと、スープだけでは塩気が先に来たキツい感じも無く、ちょうど良くふんわりとしじみの風味が口内から鼻腔を擽り、これはうまい!と一口で納得!!
別皿ででてくる豚バラチャーシューはスープの熱で脂を柔らかくしておいた方が旨みを増すと思うので、スープが冷める前に最初のうちにスープに入れてしまった方が後々幸せな感じ(笑)
ムムム!と思ったのがこの肩ロース?の薄切りチャーシュー。
これはこのまま食べてもよし、スープにくぐらせてしゃぶしゃぶの様にいただいてもよし!
低温調理ならではの柔らかさと肉の旨みが閉じ込められた逸品!!
とにかくスープの旨みにすべてが持っていかれてしまい、スープの他の具はないモノ前提で食べ進めていたら底の方にメンマが沈んでいた...(^^;)ハハハ。
このメンマも濃すぎず薄すぎず、麵の邪魔にもならないワリにはメンマの味としてもしっかりと味わえる、絶妙な味加減である。
なによりこの曇り無く黄金に輝く宍道湖のしじみ出汁が効きまくる塩スープ!
他の具材も申し分ないが、なによりこれがすべてである。
〆はスープ割を加えてもらって、完飲である。
お見事!
そして大焼売。
こちらは肉焼売と海老焼売が一つづつ。
まずは肉焼売から。
なにもつけなくても味が付いているということなので、最初の一口はそのまま。
豚の臭みも無く、臭みを散らす香味の風味も無く、ごくごく自然な肉の旨みで食べられてしまう代物。
海老焼売はプニプニとした海老のすり身に小海老がのっている。
こちらもそのままでも充分いただけるが、最後の一口は酢胡椒で。
そんなこんなで評判通りかなり琥珀イケるぞ!ということで、数日後に早くも再訪。
というのもネット上でこの煮干し昆布水冷麺が話題になっており、そういえばSUSURU TVによくでてくるつけ麺が昆布水に浸って出されるやつをまだ食したことがないっ!?と。
これは一度食しておかねければなるまいっ!とボクにしては珍しく四日後に再訪して注文したのがこちらの煮干し昆布水冷麺。
つけ麺ではないので具と麵は一皿に載っかっているが、昆布水にひたひたと浸っているのだ。
具の一つ一つが主張し過ぎずに見事に調和されているというか、まずは大葉に載っかった鴨チャーシュー。
大葉の後ろにはあのローストポークのような豚肩ロースのチャーシュー。
そんなチャーシューの脇を鮮やかに彩るのは味玉。
さらには岩海苔にとろろ、そしてラーメンの具としては初めてお目にかかる茄子の煮浸し!?
まさに和食の出汁感が絡まり合うような出汁で食べさせる感じのラインアップ。
麵は前回のつけ蕎麦(塩)と同じ平打ちのストレート麵。
これが冷水でしっかりと冷やされることで締まりが増し増して、同じ麵でも前回とはまた違った食感を味わえるシロモノ。
スープは煮干しと昆布出汁ということのようだが、ここにはしじみ出汁はないのだろうか?
冷麺のスープということでこのままいただくとかなり味が濃く、風味があまり感じられない。
が、つけ麺同様に麵と一緒にいただくとまろやかな出汁感に包まれるのである。
券売機で気になったのが、煮干し昆布水冷麺には追い飯がついてくると言うこと!
麵を一通りいただいたところで、追い飯をいただくとお皿ごと持っていかれて、追い飯を入れて持ってきてもらえる。
今回、岩海苔と玉ねぎ少々、豚肩ロースのチャーシューは追い飯用に残しておいたのだが、それに加えてオニオンフライが振りかけられている。
このオニオンフライの香ばしさが、岩海苔、とろろ、煮干し、昆布の出汁が混ざり合った出汁の泉に加わり、なんとも贅沢な追い飯がいただけた。
これは旨し!!
いくらなんでもあの行列は並びすぎじゃね?
と最初は懐疑心の方が大きかったが、みんな琥珀本店の味が池袋でも喰える!と押し寄せた結果だったのだろう。
あれから三か月(このエントリーがアップされるのは9月初旬頃だろうからオープン後五か月くらいになるだろうか?)、お店もだいぶ落ち着いてきたようなので、週末と平日ランチタイムを外せば余裕を持っていただけるはず!!