時に小さな箱のガジェットの中に非常に気の利いた小人さんが住まうことがある。
2003年の第三世代iPod以来、ボクはデジタルオーディオプレーヤーは一貫してiPodシリーズ〜iPhoneを使用している。
ボクの音楽の聴き方は好きな曲をShuffleで、が基本である。
2003年以来育て上げてきたiTunesには全ての曲がレーティングされている。
高レートの曲で、最近聞いていない曲をプレイリストにしてそれをShuffleで聴くのが定番だ。
iTunesでのスマートプレイリストの設定は、
- レートが★★★より大きい
- 最後に再生した日が○○週間以内ではない
空き容量見合いで○○週間の数字を変えて曲数を調整する。
これに『最近聴いていない曲』という名前を付けてスマートプレイリストは完成。
後はiTunesと同期するたびに最新の状況にアップデートされるので、毎日が自分専用の有線放送局になるのだ。
こんな使い方をしていると、ちょっとした偶然の出会いにホッホォ~となることがある。
相性が良いiPodによっては、Shuffleの選曲がその日その時の気分にマッチした曲が次から次へと流れてくるのだ。
まるで、小人さんがiPodの中でボクの気分に合わせてせっせせっせとDJをやってくれているかのように。
歴代iPodの中で一番働き者の小人さんがお住まいになられていたのが初代iPod miniのグリーン。
この機種は、朝の通勤時のアッパーな曲の選曲といい、帰りの穏やかな曲の選曲といい、ホントいいお仕事をする小人さんだった。
以降なかなかこの手の小人さんが住まうiPodに出会えなかったが、最近になって今のiPhone5Sに突然小人さんが住まうようになりまして、また結構その時の気分に合った曲に心弾ませている日々なのでございます。
先日の帰りしな、iPhone5Sから流れてきたのが竹内まりやの♪家に帰ろう♪
まさに、帰り道に家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)とはムフフである(笑)
居心地の良さに
決して甘えないで
やさしさも忘れないで
好きな歌違う 選ぶ絵も違う
でもいちばん私を知っている見飽きたはずのあなたでも
いとしい My sweet sweet home
いつもの My sweet sweet home
いとしい My sweet sweet home
夫婦ってこんな感じだよなぁ~と思わせる名曲である。
恋人同士のような熱くて緊張感のある関係とは違う。
友達のような素直にさらけ出しあえる関係とも違う。
お互い相手の気遣いは忘れずにとは思っていても、忘れてしまうときも多々あり、いろいろめんどくさいことがあっても、やっぱりいつものいとしい我が家。
そこにはいちばん自分を知ってくれている大切な人がいるから。
夫婦というものは自分自身以上にワケが分からなくて面白いものだ。
先日、夫婦関係について面白いコメントをやりとりした。
『似た者同士』というところから端を発したのだったろうか。
ある夫婦では『爆走』という表現を使う。
似た者同士の夫婦となると、ベクトルが同じ方向の場合に夫の慣性に妻の慣性が乗じてどんどんスピードが増して歯止めが効かなくなるということなのだろうか。
これはこれで面白い。ガヤ芸人理論と同様だ。一人のガヤに別のガヤが交わり相乗効果をもたらせてビッグバンとなるということだろう。
この手のノリは好物である。
また別の夫婦では『並走』という表現を使う。
似た者同士であるが故、会話がないと並走は平行と同意語みたいで交わることがないという。
でも、似た者ならではのあ・うんがあるはず。
お互い同じ方向を向いて歩いていても、付き合いが長くてお互いがお互いを一番知っているわけで。
なにもなくても『わかってる』という目には見えない空間で満たされているのはうらやましい限りだ。
さてさて、マイ・スイート・ホームはどうであろう?
我が家は逆に似た者同士の正反対。
性格も全く逆、趣味も被らず。凸凹夫婦である。
凸と凹は組み合わせると□に収まるので、お互いがお互いのない部分を補え合えるというメリットはある。
しかし、それはお互いが落ち着いた大人であればという条件がつく。
我が家の場合は圧倒的にボクの精神年齢が低すぎるらしい。
うちの相方さんにちょっかい出してはあしらわれ、目標に向かって走り出すものの、ボクは感性の赴くままに先導し、うちの相方さんは客観的な情報に基づいて緻密なルートを構築し、結論を導き出そうとする。
ボクがウッシャッシャッ!とアクセルを踏み込んだとしても、うちの相方さんがすかさずブレーキを踏むので、車はスピンするのがオチなのだ。
そんな二人がそれぞればらばらに行動する我が家はそれぞれのルートがグニャグニャと曲線を描き、交わっては離れ、交わっては離れ、ただ幸いなのは偶然にもたどり着くところは『≒』なところという(笑)
まさに、我が家はしいていうなら『迷走』である。
そんなやり取りを思い出しながらの家路の道中。
心帰る場所はひとつ
いつもの My sweet sweet home
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