その昔、Apple信者になる以前。まだボクがSonyに御布施を捧げていた前世紀。
今のようにデジタル一眼・ミラーレスが一般的になる前は、デジタルカメラといえば今でいうコンパクトデジタルカメラのことだった。
今やデジカメ事業からの撤退も決まったカシオのQV10で、デジカメの可能性に興味を持ったものの、カメラにはさほど興味が持てず、Sony党としては記念写真用に購入するのはサイバーショットシリーズだった。
当初はそのレンズにブランディングを持たせてはいなかったはずだが、いつの頃からかレンズに『カール・ツァイス』を使用するコトで他社との差別化を図るようになっていた。
カメラに興味のないミーハーなガジェッターでしかなかったボクとしても、その『カール・ツァイス』なるもののブランド力はスゴいものなのだろうと。ミーハーなりに崇め奉りながらサイバーショットシリーズの新製品にハァ〜ハァ〜していた記憶がある。
そんな過去の経験もあり、カメラに興味を持つようになって以来、Leicaとともにいつかは手にしたいレンズがCARL ZEISSのレンズであった。
Leicaのレンズはオールドレンズにしか目が向いていないにもかかわらず、なぜかZeissのレンズは現行レンズを試してみたいと。
Zeissの戦前戦後の激動の歴史をしってか知らずか、昭和の紆余曲折を経た今では、設計はZeiss、製造は長野のあのコシナが受け持つ、田中長徳氏いうところの『ツァイス・コシナ』な現状にあるZeissの現行レンズ。
なかでもPlanarのあの描写力を欲していたのである。
そして、いろいろ脇目を向いてばかりで時間はかかったモノのよぉ〜やくツァイス・コシナ、いやいやCARL ZEISSのPlanar T*2/50 ZMを入手したのだ。
もちろんZMマウントなんで、Leica Mシリーズ用に。
Planar T*2/50 ZM本体はシルバーのとてもシンプルな鏡胴。
珍しくというか、今となっては1本しかない新品のレンズ(笑)
シンプルであるが故か、風格を感じさせる外観。
レンズ周りも一遍の曇りもない綺麗な仕上がり。当然ですが...(^^;)ハハハ。
ミーハーなカメラマニアであれば誰しも一度は試すであろう、LeicaとZeissという独逸を代表するカメラ業界の両巨頭のコラボレーション!
お互いに敬意を表して、ボディはLeica M3、レンズにZeiss Planar T* 2/50。
まさに王者の風格なのです。
どちらもどちらにも負けていない感じ。見ているだけで緊張感が走ります(笑)
そしてなぜか、もうじき還暦になろうかというボクのM3に現行品のPlanar T*2/50 ZMを合わせても、違和感が全然感じられないのが驚き。
絞りリングもピントリングのヘリコイドも滑らかで少しのストレスも感じさせないしっかりとした作り。
やっぱりヘタれかけているオールドレンズの操作感とは全く違うのね。さすが新品!とこのレンズ1stユーザであることの歓びに満ち満ちてございます(笑)
現代の設計&コーティングのレンズなんで、あまり必要はないかも?と思ってはいたモノの、いちおうミーハー的には外観も重視なんでレンズシェードも。
装着するとこんな按配に。
いやぁ〜精悍なのです!
さっそく、朝のうちの小春さんとのお写ン歩の道中で試し撮り。
ボディはLeica M TYP240で。
なんか朝からどんよりと一雨来そうな雨雲が低く垂れ込みつつあるみたけ通りでの一枚。
Planar T*2/50 ZMの作例を見てきて、Zeissのレンズって薄ら青みがかって写る印象があり。
自分で撮ってみてもそんな感じがやっぱりするんだよねぇ。でも、それがクール!というワケではなく、あっさりと仕上がりに感じられる。
そして、やはりなんの変哲もない仕上がり。多少絞ってこの時はf8位だったかと思うンだけど、どこをとってもちゃんと解像させまっせ!という一見面白味のないレンズなんだけど、どこをとってもというところがボクにはレンズの王者としての風格を感じさせられる。
そして、やっぱり今のデジカメのセンサーには、現行品のレンズが合うよね?と思わずにはいられない解像感。
デジカメにオールドレンズを付けて、そのクセを愉しむのが好きなんだけど、今と今の組み合わせならではのこの描写もホントは好きなんだなぁ〜と改めて実感した一枚なのでした。