B級グルメ花盛りな今日この頃ですが、『B級』とはA級の裏に隠れて土地土地のジモティにのみなじみ深く、余所者に『あ゛れっ!?あんたコレ知らないの?』といわれるよぉ〜なモノだと思うのです。
となると、B級の枠を越えて全国的なチェーン展開などで知れ渡ってしまったモノは、もはや『B級』たる若干のコンプレックスと開き直りによる孤高のステータスにつつまれた料理ではなくなり、普通の料理のone of themに成り下がる運命を辿るのではないかと...。
ご当地金沢のB級グルメといえば、『金沢カレー』。
ボクもなんどもお世話になってます。酷いときには週一で金沢カレーのどっかのお店にお邪魔するという頻度です…(^^;)ハハハ。
ちなみにこれは変わり種なほぉ〜なゴールドカレーの『牛すじカレー』。
しかし、この金沢カレーなるモノ、ゴーゴーカレーの東京進出によりあ゛っ!?という間に全国展開して名が知れ渡ることになったものの、はたして『B級』の矜持はどうしたものか?
B級が『B級』であるには、
- ジモティはナンの衒いも無く世間一般でも食べている一般食だと思っている。
- にもかかわらず、その食べ物はその土地土地(お店)に行かないと食べられない。
実は、この『その土地土地に行かないと食べられない。』という要素はB級が『B級』であるためにはとても重要なことなのではないかと。
なぜなら、A級と違って高級食材を使うわけでも無く、誰しもが食べてうま゛しっ!となるワケでは無いのがB級なのである。
ちょっとした家庭料理・田舎料理への郷愁とそこに行かないと食べられないという希少さが『B級』のブランドを押し上げているである。
ある意味、情報過多による錯覚が生み出したのが『B級』ブームと言える。
さて、となると『金沢カレー』はボクの理解ではもはや『B級』ではないのである。
ではほかに金沢B級グルメはないのかっ!?!?
というと、以前エントリーした『ハントンライス』の他にも実は是非ともご紹介したい喰いモノがあるのであるっ!(笑)
金沢一の繁華街、香林坊から片町へと続く路地にこのお店は存在する。
その名も『宇宙軒食堂』!
しかし、この名から想像されるようなコスモでスペースな雰囲気は店内のどこを探し回っても感じられない、ただの大衆食堂である(笑)
ここの看板メニューがまさに看板にも書いてある『とんバラ定食』なのである。
金沢市民でも知っている人もいれば全然知らない人もいるという、けして市民全般に知れ渡っているワケでも無いけど知ってる人にはたまらないB級グルメ、それが『とんバラ定食』っ!!!
カウンターに置いてあるメニューの半分はとんバラ押し(笑)
実際食べに来る人の半分以上はとんバラをオーダーしているまさに看板メニューなのである。
ちなみに『とんバラ』とはただ単に『豚バラ』のことでございます。
この日はとんバラ定食Wをオーダー。
豚バラのスライスを鉄板でワシャシャワシャシャと焼くだけなんであ゛っ!?という間にでてきます。
まずはそのまま食べてもヨシ。
特に味ついてるわけでも無いんで、肉の味と焦げ目の味しかしませんが(笑)
でも、このシンプルすぎる味がボク的には好きだったりもします。
でも、このとんバラ定食をとんバラ定食たらしめているのが秘伝のたれと言われる褐色の液体。
見た目味噌ダレなのかと最初思ったモノの、けしてそんな味わいでも無く、焼酎のようなスキッと感とお酢の酸っぱさが抜けたモンのよぉ〜なよくわからないさっぱりとしたタレなのです。
このタレと豚バラの脂の甘みが口の中で絶妙にブレンドされ、口の中がコスモになること受け合いでございます(笑)
豚バラは薄いんで、秘伝のタレに漬けて海苔のようにご飯に巻いて食べてみたり。
それとボク的に忘れてはならないのだ納豆!
おそらく、100%なんの変哲も無い納豆なはずなのです。市販の納豆に葱とうずらの卵が入っているだけ。
この普通の納豆が、口の中に充満している豚バラの脂の甘みと舌の上に残っている秘伝のタレのさっぱり感とともに納豆の味が加わるとそれはもぉ〜他では味わったこと無いよぉ〜な納豆の味わいに変わるのです。
まさにコスモっ!スペースワールドっ!!
この納豆追加は是非お試しいただきたいのです(笑)
と、いっけん普通の大衆食堂の宇宙軒食堂の『とんバラ定食』。
なかなかあなどれない金沢B級グルメでございます。
市内のどっか別のお店でも『豚バラ定食』の名前で同じよぉ〜なメニューがあった記憶があるんで、じつは密かに市内に浸透してるのかもしれませぬ。
金沢にお越しの際は金沢カレーよりもとんバラ定食を是非お試しあれっ!!!