らーめんは主食である。
独身の頃はらーめん、らーめん、パスタ、らーめん、そば、うどん、らーめん、らーめんと昼夜問わず週の半分以上はらーめんで過ごしていた。
結婚後も会社周りの新橋周辺や住処の池袋といったらーめん処には事欠かない環境で、あまり麵を好まないうちの相方さんの隙をみつけてはらーめんを食しに街をウロウロしたものである。
そんな、らーめん好きなボクは、金沢に来てとかくおいしい魚介類に恵まれていながらも、らーめんが無くてはやっていけないのである。
金沢でのらーめんのお出迎えはアイキャッチ画像にある駅前ドーミーインの夜鳴きそばであった。
転勤初日から住所不定のボクは2週間このドーミーインで暮らし、夜な夜なこぼれ落ちる涙の塩味を足したこの夜鳴きそばを啜ったのである...。
その後、ボクの生活圏(主に金石街道周辺から近江町市場までのルート周辺)で食した金沢のらーめんの中でこれはっ!?と言うモノをまとめてご紹介ッ!!
目次
8番らーめん【ソウルフード系】塩ラーメン
まずはなにはともあれ『8番らーめん』!
『なんでやろ?8番。』のキャッチフレーズの通り、金沢で生まれ育った金沢人の舌のほとんどを制圧している8番らーめん。
どんなに美味しい料理を食べ続けていても、フト思うお袋の味。これは舌の記憶がなせるワザであり、舌に根付いた記憶ほどやっかいなものはない。
金沢人にとっての8番らーめんもまさにそれと同様である。
土日の昼ともなれば、子供・親・お爺ちゃんお婆ちゃんの三世代でお店の席が埋め尽くされる。
なんでやろ?である。都内の方は福しんを思い起こすといい。味はあれ以上でもあれ以下でもない。福しんに三世代で押し寄せるところを想像できるだろうか?
そうやって、金沢人は物心ついた頃からこの8番らーめんの舌の記憶を植え付けられ、大人になってもお爺ちゃんお婆ちゃんになっても『なんでやろ?』と思いながら死ぬまで8番らーめんの呪縛から逃れられないのである。
嗚呼、恐るべきは8番らーめん......。
かくいうボクも何度も足を運び、塩、醤油、味噌と一通りの味を食したが、やはり基本は塩バターらーめんではなかろうか?
8番らーめんの基本は野菜であり、その野菜の甘み・旨みを十分味わえるのは余計な主張がない塩味のスープであると最近開眼した。
そんなことをいいつつ、やはり都内で数十年らーめんを食べてきたボクにはどぉ〜しても味のインパクトが足りない。
そんなボクでもこれは!?と思ったのがこの『唐麵』。
冷やし中華ほどの少ない濃厚な醤油ベースのスープがコクがあり、非常に美味しい一杯なのである。
8番らーめんの一番のオススメはこの『唐麵』で決まりっ!
金澤神仙【魚介豚骨系】濃厚中華そば
いくら金沢人の舌が8番らーめんに制圧されているからといって、金沢のらーめん界がそこで立ち止まっているわけではございません。
都内のトレンドを意識しつつ所々で切磋琢磨し、8番の牙城を虎視眈々と狙っているのでございます。
なかでも、実績といい味といい人気といい頑張っているのが、中央市場の再奥部に位置する金澤神仙さん。
石川県人気口コミ店5年連続一位をはじめ、全国のらーめん大会にも積極的に打って出ている一番勢いのあるお店。
お昼時には駅からも繁華街からも遠く離れた中央市場までここの一杯を求めて行列が出来ます。
ここのスープは魚介豚骨のWスープで、コシのある独自の麵が特徴。ただボク的にはスープが名前の通り濃厚なんで、つけ麺の麵くらいの太麺のほうがスープに負けないインパクトがでるのになぁ〜と思うのですが...。
時間がある貴兄は是非是非中央市場まで足を伸ばしてみるのも一興かと。
神やぐら【二郎インスパイア系】味噌やぐら
そんな神仙さんが作った二郎インスパイア系のお店が『神やぐら』。
こっちにきて、もぉ二郎は喰えないかなぁ〜と思ってましたが、ありました(笑)
食べたのは『味噌やぐら』。
二郎ほどではないにしろ、でももやしとにんにくがこれでもかっ!と攻めてきます。
が、ボクもやはり歳なんでこの暴力的なまでの挑戦に立ち向かうほどの元気は無いのであります。
その後も2回チャレンジしましたが、全て完食できず...(^^;)ハハハ。
そぉ〜いえば、都内にいたときでもすでに虎ノ門二郎で完食できたためしなかったもんなぁ〜(笑)
二郎系にチャレンジしたい貴兄はどぉ〜ぞ。
どぉ〜も店内のお客さんのオーダーを眺めているとここのオススメは『鬼油そば』な気がします(笑)
御輿【魚介豚骨系】御輿中華蕎麦
会社から近く、何気に一番通っているのがここ御輿さん!
神仙の中華そばより魚介度が高い御輿中華蕎麦。
王道の魚介豚骨Wスープで、お゛ぉ〜っ!?と思ったのがフワッサぁ〜とのっかっているあおさと玉ねぎ。
これが動物的な味を抑えているといいますか、コッテリ脂脂になりがちな濃厚魚介豚骨スープをまろやかにしてくれるのです。
東本願寺別院、表参道沿いの御輿さん。つけ麺もオススメですが、まずは基本の御輿中華蕎麦からご相伴あれっ!
一心屋【魚介豚骨系】鰹メガMAX
魚介豚骨系の切り札っ!『一心屋』さん。
ここもお昼時には行列が出来る金石街道沿いの名店です。
写真の見た目ではわからないものの、ここのオススメは『鰹メガMAX』!これにつきます。
通常の20倍の鰹節を使用しているといわれているメガMAX。
箸で麵をスープから持ち上げると最初から最後まで麵に絡みついてくるほどの鰹節の量(笑)
魚介豚骨を通り越した鰹スープかっ!?というとそれほどでもなく、ただしっかり鰹だしの味はするんで、魚介系のスープが苦手な方はちっと喰えないかも...(^^;)ハハハ。
ただ、フトあの鰹の効いたスープが飲みてぇ〜と頭をよぎるそんなクセになるスープです。
岩本屋【豚骨ベース系】塩らーめん、ベジポタ味噌らーめん
ここ数年、8番らーめんに負けじと頑張っているチェーン店、それが『岩本屋』さん。
発祥は福井みたいですが、金沢にも進出しています。
ボクがよく行くのは北陸道沿いの金沢駅西店。
ここは豚骨ベースで塩、醤油、期間限定味噌とそれぞれ揃えるオールマイティーな品揃え。
チェーン店ならではでございます。
が、チェーンだからといって侮るなかれっ!ちゃんと今のトレンドを研究してスープ作りに励んでいらっしゃいます。
野菜エキスを練り込んだベジポタ味噌らーめんがこの冬の限定メニュー。
濃厚な下地の豚骨に加え、味噌のコク、野菜の旨みというよりもコクが加わったスープはほっほぉ〜という感じ。
普通の豚骨の平均点以上でしたが、やはりここは太くもなく、細くもない、ボクにとって一番ちょうどいい太さの麵がお気に入りです。
ここの麵を神仙のスープで喰ってみたいなあぁ〜。
五代目けいすけ【塩系】塩らーめん白湯
いろんなところで『〜けいすけ』で展開しているけいすけが塩専門でオープンしたのが金沢forusの『五代目けいすけ』。
ここの塩らーめんの楽しみは味だけでなく、蓋を外したときにモワッと広がるスモーク。
そぉ〜なんです、ここのらーめんは出てくるときに蓋がされているのです。
そしてその中に曜日によって異なるスモークを炊き込んで、蓋を開けたときの演出を加えているのが特徴!
塩らーめんはあっさり系の『琥珀』とコッテリ系の『白湯』があります。
写真はコッテリ系の白湯。
まず、スモークの香りを楽しむという他にはない演出を楽しんだ後に食します。
スープは荒々しくなく、非常に細やかでなめらか。
店内の内装もそぉですが、女性の入りを相当意識した感じのお店なのでございます。
駅周辺でらーめん食べたくなったときにボクは立ち寄ります(笑)
麵屋大河【味噌系】味噌らーめん
なかなか味噌系が見つけづらい金沢らーめん事情。
そんな中で駅周辺で見つけた、洗練された味噌らーめん!
それが麵屋大河さんの味噌らーめんでございます。
11時半開店のこのお店、11時半に行ってはもぉ〜店内は一杯で行列があふれ出ています。
席に着くとまずはおちょこに入った野菜ジュースが出てきます。
これで余計な脂肪の吸収を和らげるんだとか。
写真の見た目は濃厚そうなスープですが、そんなことはなく味噌はバランスが取れる最小限程度しか入っていないんじゃないかというくらい、味噌なのにあっさりしたスープ。
なのに、しっかりと味噌の味や出汁の味が効いているのが不思議な非常に洗練された味噌スープなのです。
この系統は都内にはないんじゃないかなぁ?
麵も味噌スープにあった太麺で冬場は非常に身も心も温まるやさしい味噌らーめんなのでございます。
くるまやラーメン【味噌系】味噌バターチャーシューメン(3枚)
全国チェーンのくるまやラーメン。
以前は果敢に8番に挑戦したらしいですが、そんな勢いも幾星霜...金沢には残り2店舗しかなくなってしまったよぉ〜です...(T^T)(涙)
そぉ〜いえば、聞いたことあったよぉ〜なくるまやラーメン。
うちの近所にもあったんでこっちに来てから初めて入ったところ、全国チェーンにしてはなかなかの味噌らーめんなのであります。
今風の凝った味噌らーめんというよりも、昔ながらの札幌味噌らーめん。
味噌のコクがしっかり効いていて、くるまやラーメンの場合はそこにニンニクたっぷり効かせてます。
コレがパンチになってなかなかバカに出来ない出来映えなのでございます。
ただ、ノーマルに味噌らーめんを注文すると、炒めたもやししか載ってないので、是非チャーシュー3枚入りをオーダーしてください。
そのほぉ〜が幸せになれます(笑)
仙桃【番外編】担々麺
実はボクは担々麺が好物なのである。
その昔、インスタントの中華三昧が発売されたときに出会って以来、ピリッと辛い担々麺が好物なのである。
しかし、ボクにとって担々麺は鬼門であり、本格中華屋さんの担々麺は出来れば避けて通るべき食べ物なのである。
なぜなら、本格中華料理屋の担々麺を食べるやいなや、高熱に苛まれてダウンするという病状に三度陥ったからである。
どうも、ハァ〜ハァ〜して担々麺を食すと、あまりの辣油の辛さ加減に喉が腫れて、ついでに扁桃腺が刺激されて高熱に陥る体質らしいのである。
なので、好物なのにも関わらず、仕事のことを考えるとなかなか手が出しづらい担々麺であるが、そんなことを一切気にせずに堪能できるお店に金沢で出会ったのだ。
ある意味今回のエントリーはこのお店の担々麺を紹介するために書いたよぉ〜なもんであるっ!ムフゥ〜〜〜っ!!!
ここ金沢でボクが一押しなのは近江町いちば館二階の広東料理のお店『仙桃』さんの担々麺!
写真のとおり、出てくるときは胡麻ベースのらーめん。
これだけでも、胡麻好きにはたまらない胡麻らーめんなのである。
胡麻の香ばしい香りと挽肉、搾菜の細切れ炒めが醸し出すコクがたまらない逸品っ!!
らーめん本体とは出てくる特製自家製辣油がこちら。
これがまた、すべてかけるとおそらくボクは卒倒するレベルの辛さ。
なので、自分の舌と相談しながら恐る恐る適量をかけるのである。
ボク的にはこの写真の1/8程度の量が適量(笑)
大豆がピリ辛で美味しいのだが、一粒で我慢我慢。
この辣油をいれるとまた担々麺らしい味わいに代わり、大変満足なこの一杯!
今のところ、この担々麺を越えるモノは無いと思われ。
職場からもすぐなんで、これからもちょいちょい通うことになると思われます。
近江町市場に来てわざわざ中華?というのも無いとは思われますが、それでもほかではなかなか味わえないこの担々麺を是非っ!!!