今年の夏はすっかり二眼レフカメラの魅力にとらわれてしまったボクなのです。
Rolleiflex 2.8FにRolleicord Ⅳを手にしたところで落ち着くかと思った二眼熱も治まることを知らず...(^^;)ハハハ。
ある日、グレーの布張りのなんとも小洒落た佇まいの二眼レフカメラが目に止まったのでございます。
そのカメラは今は無き、チェコスロバキア製の二眼レフカメラ、『Meopta flexaret Ⅵ』と知ったのです。
まだ鉄のカーテンが崩壊する以前。世界は東と西の両陣営でにらみ合ったまま膠着状態だった冷戦の時代。
当時のチェコスロバキアは東陣営の中でも優等生で精密機械工業も発展していたとか。
そんなチェコスロバキアで製造されたMeopta flexaretⅥをお迎えしてしまったのでございます...(^^;)ハハハ。
このflexaret Ⅵは1964年に登場し、その後1968年にⅦ型が登場するまで製造されていたようです。
この機種の製造年代はハッキリとわからないモノの、ネットで調べてみると裏蓋の上部にあるシリアルナンバーっぽい数字の最初の数字が『製造年の一桁目』を意味するとの記載もあり、だとするとこの機種は1965年製ということになるかと。
二眼レフカメラなんで、さほどRolleiとは変わらないモノの、細かいところはけっこう違うンで、操作に慣れは必要ですかね。
この写真でいうと、まずはレンズの左側の位置にシャッターボタンがあります。
Rolleiだとシャッターはボディ下に付いているんで、この真ん中辺りの位置というのは最初のウチは違和感を感じます。
レンズはビューレンズもテイクレンズもBelar 80mm f3.5。
3群4枚のテッサー型という普通のレンズに見えて、実は思った以上に優秀らしいという評価が、グレーの外観とともに今回お迎えした理由でもあるのです。
世界のRolleiに比べてちと残念なのが露出に関する視認性かな。
Rolleiだと絞りやシャッタースピードの数値は上から見ても数値が確認できるように設計されているけど、flexaret Ⅵでは数値が正面を向いているんで、確認しづらい面が否めません。
ちなみに絞りレバーはテイクレンズの左斜め上辺りに微かに見える▽のレバーで設定します。
シャッタースピードは右側のプラスチックのレバーで操作します。ちなみにこのプラスチックのレバーが折れやすいとか...(^^;)ハハハ。
そんな絞りとシャッタースピードレバーの使いづらさとは反対に、とても操作感が良好なのが、レンズ下部に付いている振り子上のフォーカシングレバー。
この大きなフォーアシングレバーはレンジファインダーや一眼レフのレンズと同様に、レンズの周囲を左右に回してピントを合わせるんで、35mmカメラと同じ感覚で操作できるのがいいですね。
ボディ左側にはフィルム巻き上げノブ。
flexaret Ⅵは巻上と同時にシャッターチャージも行うセルフコッキング仕様になっています。
その右側はストラップ止めの金具。ネジ頭の部分までちゃんとグレーの布張りになっているところがしっかりとデザインされているなぁ〜という気がします。
巻き上げノブの下にあるのが、35mmフィルム使用時のカウンター。
そうなんです、flexaret ⅥでもRolleiのローライキンのように35mmフィルムを使用出来るんです。しかもある程度まではすでにボディに内蔵されているという大盤振る舞い。
でも残念ながらいくつか別売の部品がないと使えないんですけどね...(^^;)ハハハ。
その横にあるのがフィルムカウンター。自動復元式になってます。
背面にはいちおう使用しているフィルムをメモするダイヤルも。
右側は裏蓋を開くボタンにアクセサリシューアダプター。
下はフィルム室のノブになります。
せっかくのグレーがちと傷物になっているのが残念...(; ;)ハラリ。
上から見るとこんな感じ。
ビューファインダーを開けます。
が、室内だと絶望的な暗さです...(^^;)ハハハ。
ちなみにファインダーは磨りガラスなんで視認性は問わないで下さいm(._.)m
四方は特に絶望的でございます...(^^;)ハハハ。
でも、外で見る分にはそんなに気にはなりません(笑)
そんな絶望的な磨りガラスでもこの倍率の高いルーペでなんとかなります!
でも、倍率高すぎてファインダー全部を見通すことは難しいんで、ピントを合わせたい部分に着目して使用しましょう!(笑)
ちょっとした気遣いですが、いいなと思うのがこの背面カバーのボタン。
通常はこのように出っ張っていて、これを押すとカバーが開くわけですが...。
フィルム巻上部分と暗室部分はこんな感じ。そんなにRolleiと基本的な構造は変わりません。
先ほど触れた、35mmフィルムを使用する前提の機構がこんなところにもっ!?
フィルム室の上の部分にある軸の茶色い部分が実は35mmフィルムを送るガードになっているんです。
やっぱり人智で全てを計画的に実行する社会主義国家であったチャコスロバキアなので、Meopota社では35mmフィルムカメラの製造は許されていなかったらしいのです。
でも、Meopota社のカメラを愛するユーザのために二眼レフカメラの体裁をとりながらも35mmフィルムが使えるように機構を組み込んだMeopota社の心意気っ!!
ちなみにフィルム装填方式はSTARTマーク方式なんで、白丸のところにフィルムのスタートマークを合わせましょう。
フィルムを装填して背面カバーを閉じたら、先ほどのボタンをネジ込んで背面カバーが開かないようにロックをかけます。
こういうちょっとした気遣いが嬉しい限りですね。
フィルム装填時はカウンターが0なんで、
カウンターが1になるまで、巻き上げノブを回して撮影準備完了です。
ところで、flexaret ⅥとRolleicord Ⅳのサイズ感はというとこんな感じ。
ヘリコイド部分のデザインの違いでパッと見flexaret Ⅵが長く感じますが、ほとんどサイズ感は変わりません。
そんなこんななチャコスロバキア製のflexaret Ⅵ。
二眼レフの使い回しが難しくなってきたぞ...(^^;)ハハハ。