今年のGWは文化的な活動に勤しんでおりまして(笑)
まずはコロナ禍が収まったら是非にと計画していた件を実行しに恵比寿ガーデンプレイスへ!
一体いつぶりだ?
と過去のカレンダーを遡ってみたら、2017年の9月に来て以来みたいですね...(^^;)ハハハ。
その際も先ず向かったのはこちらの『東京都写真美術館』。
篠山紀信の『写真力』を観に来たモンだとばかり思ってたんですが、勘違いで当時の展示は『写真家チェ・ゲバラが見た世界』だったみたい。
2017年当時はまだ写真を取り始めて1年も経っていない頃で、有名な写真家の写真よりもカメラと戯れることの方に夢中でこの東京都写真美術館の入口に掲げられている大きなプリントに全然興味が向かなかったんですが、あれから6年が経ち、多少は写真の歴史にも興味を持つようになった今となっては、なかなかスゴいラインナップですね。
先ず一番手前にはロベール・ドアノーの『パリ市庁舎前のキス』。
その隣にはロバート・キャパの名作「ノルマンディー海岸」。
死を感じながら夢中でシャッターを押した中の一枚ですね。
そして一番入口側には唯一の国内作家、植田正治の「妻のいる砂丘風景(Ⅲ)」。
いつの日か絶対、鳥取にある植田正治写真美術館に行ってみたいんですよねぇ。
そんな入口の3枚にすでに圧倒されながら、この日楽しみにしていたのはこちらの展示。
「深瀬昌久1961−1991レトロスペクティブ」に「土門拳の古寺巡礼」。
の前に、かねてからコロナ禍が収まったら購入しようと思っていたモノがこちらの東京都写真美術館の年間パスポート!
1F入口で早速げっとでございます。
この年パスで企画展は年4回まで無料。誘致展は割引。今回の展示でいうと深瀬昌久は無料、土門拳は割引になります。
その他、収蔵展は常に無料、ミュージアムショップやカフェは5%割引になります。
ここのところ、やはり写真集よりも実際のプリントを見てみることで解ることも多く、いろいろと企画展を見て回りたいということと、やはり年パス持ってるとなんだかんだと都写美がもっと身近になるのではないか?という期待もありまして。
ということで、まずは2Fの「深瀬昌久1961−1991レトロスペクティブ」を見て回ります。
入口には別れた妻の洋子さん。
でも、深瀬昌久というと以前購入した『サスケ』の印象が強く、ボクの中では「サスケ」のコミカルで、どうしたら猫の動きそのものをあそこまでカメラで撮ることが出来るのだろうか?と写真集を見ながら思ってたんですが、今回の展示で深瀬昌久氏自身の写真の向き合い方で、なんとなく解ったような気がします。
深瀬昌久のシリーズを回顧するような展示と、予めYouTubeでトモ・コスガ氏の本展示に関する講演を聞いていたんで、とても解りやすかったですね。
「歩く目」のシリーズでは深瀬氏自身の視線の先。ボクをはじめ写真好きが撮りがちな写真なんだけど、でもなんか違うンですよね。レンズを通じてフィルムが受けた光と影が映し出されたというよりも、深瀬氏の視神経に移ったそのものがプリントされている感じ。
視線の先なはずなのに、なんか違和感を感じます。
そして「私景」いまでいうセルフィーの走りのようなモノなんだけど、氏は写っているものを見ておらず、でも写真には写り込んでいる。
「ブクブク」もいわば本人セルフィ−では或るモノの、氏はけして自分を写してはいないような違和感を感じます。
「洋子」、この奥さんをモデルとしたシリーズでの二人の距離感も、作品として語り継げられているには意味があるわけで、この氏と行為としての写真との距離感に違和感を感じるところなのでは?
こうしてみていると「サスケ」がただの無邪気な猫の写真集ではないということの理解も深まるというモノで、この深瀬氏の距離感がもたらす違和感のせいなのだなと。
すでに最初の展示でかなりお腹いっぱいになってしまったンで、ちと小休止で図書室に向かいます。
年パス購入の目的の一つにこの図書室を気軽にリモートワークで使えないかなという目論見もございます(笑)
なんか、来て座って作業して帰ると気軽には出来ないようで、2時間ごとの入れ替え制なんだそうです。
これはちゃんと3枠の開始時間を意識してこないとイケないですね。
次に向かったのは3Fの収蔵展「TOPコレクションセレンディピティ」。
結局、この展示が一番解りやすかったというか、気軽に観られたかも(笑)
「セレンディピティ」とは、「偶然と才気によって、予期しない発見をすること」なのだそうです。
ボク自身お写ン歩しながらシャッターを押すという行為はこの「予期しない発見をすること」がトリガーになることが多いので、そういう面でも馴染みやすかったのかもしれません。
とはいえ、中には面白い作品も多々あり、こちらは窓を通して写った光景そのものを描いているのですが、
窓ガラスの奥に写真をくっつけているのかと思いきや、磨りガラスに写真を焼き込んでいるみたいなんですよね。
こちらの展示は写真撮影OKだったンで、気になった作品を何点かパ写リです。
最後の締めはB1の「土門拳の古寺巡礼」。
やはり、日本写真史における巨匠の展示会だからか、一番賑わっておりました。
なのか、上から順に見て回って、最後のフロアに来館者が溜まっただけなのか...(^^;)ハハハ。
土門拳の写真て、どうも苦手なんですよね。何冊か写真集は手元にもあるンですが。
展示は有名すぎるほど有名な「古寺巡礼」から、これはデジタルプリントなんですかね?
その作品もかなり大判で展示されてます。
まさに「神は細部に宿る」を実践したかのような寄りの作品に圧倒されるというか、物理的な圧もそうなんですが、土門拳の写真てこう在らねばならぬ!的な圧が凄まじくて苦手なんですよね...(^^;)ハハハ。
最後は2Fのミュージアムショップへ。
ホントは4月早々に来たかったんですが、4月は人事異動でバタバタしてしまい、結局5月から3月までの11ヶ月をこの年パスで堪能します!
毎回写真展に手ぶらで来てしまい、チラシの扱いに困るんですが、今回も深瀬氏の「鴉」がプリントされたトートバッグに川内倫子「やまなみ」を購入です。
なんでだろ?この手のミュージアムショップに来ると、展示内容とは関係なく川内倫子の写真集を購入してしまいます...(^^;)ハハハ。
同時代の有名写真家でもあり、今を写す写真家という意味ではどこのミュージアムショップでも扱いやすいからですかね。
なので、ネットで高値が付いたモノを買うよりもこういうところでコツコツと定価で購入して、川内倫子コレクションを増やしているわけでございます(笑)