ある日、突然気づいてしまった。
「ズームレンズ」って便利なのだろうか?と。
一本のレンズで広角域から望遠域まで、様々な画角で写真を撮るという点からするとたしかに便利なのだ。
例えばネコ歩きなんかしていると、警戒心の強い猫さんだとなかなか寄れない。
35mm単焦点しかなかったら時にはあぁ~望遠レンズ持ってくればよかったぁ~~などと後の祭りなのである。
そんなときにはズームレンズ一本装着しておけば安心なのである。
実際、ネコ歩きがメインのお写んぽの際にはOLYMPUS PEN-FにM.zuiko 12-100mm f4.0というみかけのバランスの悪いペアで持ち歩いていた。
なんでもどこでも思うがままに撮れそう!という万能感を感じるズームレンズではあるが、写真を撮る手間という点から考えてみると、はたしてズームレンズで写真を撮るのは簡単なのだろうか?との疑念が頭を持ち上げてきたのである。
今のデジカメなので、当然AFであり露出も自動。シャッターボタンを押せば誰でも写真は撮れる。
でもAFが合わせるピントは必ずしも自分が意図したところとは限らない。なので自分でピント範囲を設定するか、何度もシャッターボタンを半押しして合わせたいところにピントがくるまで繰り返す。
さらにズームレンズの場合、自分の意図する構図に合わせてズームリングを入ったり来たり......。
結局、全自動である現代のデジタルカメラとはいえ、ちゃんと自分の意図に合わせようとすると、ピント位置やら構図やら手間がかかるのである。
最近すっかりハマってしまったのがLeicaのバルナック型といわれるⅢf。
当然、65年も前のお爺ちゃんライカなんでAFどころかAEすらない。
露出は『せんぱち(快晴なら絞りf8、シャッタースピード1000)』を基準に光の具合をみて感で攻めるか、露出計で測かり、レンズの絞りとシャッタースピードを設定するという機械式カメラならではの手間がかかる。
さらにはこのⅢfには距離計連動のレンジファインダーと構図を決める50mm枠限定のビューファインダーの2つの覗き窓を駆使しなければならず、シャッタースピードの設定はフィルムを巻き上げてからではないと設定できないというお作法が加わる。
現代のデジカメと比べるとなんと手間隙のかかる面倒くさいカメラであろうか!
実際にボクも手に取るまでそう思っていた口である(笑)
しかし、その小さくコンパクトに洗練されたデザインは両手を添えたときに完璧なホールディングを提供し、撮影までに順序良くこなさなければならない各種のお作法は、不思議なことに次のシャッターを切るまでのリズムを生み出すのである。
しかも、レンジファインダーならではのクリアな覗き窓でのピント合わせは、狙いにあわせて二重像をあわせるだけなのでAFにいらだたさせられることはない。
画角は単焦点レンズなんで、自分で寄るか引くかの選択肢しか残っていない。
カメラと自分のコミュニケーションもさることながら、思った以上に「手間」と感じないのだ。
まだカメラ・写真に興味を持って一年数ヶ月の経験しかないボクにしても、これはかなり新鮮な感覚だったのである。
結局、全自動とはいえ手間隙かかるならズームレンズとかいらねぇ~んぢゃね?
カメラのシステムを集約するということも考えていい頃合なんぢゃね??
と悪魔が耳元で囁き始めたのである...(^^;)ハハハ。
本格的にカメラの世界に足を踏み入れたのは2016年の冬にOLYNPUS PEN-Fを手にしてからである。
それまでRICOH GRを常に持ち歩き、スナップやらブログネタの撮影に興じていたモノの、レンズ交換式の本格的な『カメラ』という意味では、このPEN-Fがボクの人生で初めてのカメラである。
レンズキットとしてついてきたM.Zuiko 12mm f2.0の明るくて、広角域な画角は、それまでコンパクトカメラで撮影してきた身にはとても世界が開けたように感じたモノである。
以降、ズームレンズのM.Zuiko 14-42mm f3.5-5.6 EZ、やらボディキャップレンズのBCL 15mm f8.0、さらにはマイクロフォーサーズ機の日常使いなズームレンズとしてはおそらくサイコーのコスパを誇るM.Zuiko 12-100mm f4.0 IS PROと瞬く間にマイクロフォーサースシステムが充実していった。
が、その後Leicaを手にするにあたり、ブログネタとしてのテーブルフォトやネコ歩き意外に次第に出番がなくなっていったのだ...(^^;)ハハハ。
そんなLeicaとの出会いはD-LUX TYP109がボクにとっては初ライカである。
カメラに興味を持って以来、『いつかはLeica』と思っていたが、なかなかそんな機会はないであろうと思いつつ、現実的に手に入る範囲にあったD-LUX TYP109をお迎えしたのである。
いわゆる国産コンパクトデジカメとくらべても、その独特な発色にLeicaだなぁ〜......Leicaなの?と。
そう、D-LUX TYP109はLeicaとパナソニックの提携で生み出されたプロダクトであり、いわばパナライカなのである。
そこがどぉ〜しても引っかかり、機能的には申し分ないモノの何かが違う!と早々に手放してしまった。
次に手にしたインスタントカメラのSOFORTも同様である。
『Leica』のロゴは付いていても、これはFUJIFILMのチェキの焼き直しでしかない。
やはり『Leica』と名が付く以上、ホンモノでないと愛着が沸かないのである。
SOFORTもいまは手元にない...(^^;)ハハハ。
そして今に繋がるLeica M4を手にする機会が思ったよりも早く訪れたのだ。
完全なオリジナルではなく、一箇所オーバーホールにともない部品交換がされているため、操作性は申し分ないのに格安で提供されていたM4。
思いのほか早く訪れた『いつかはLeica』に一も二もなくお迎えしたのである。以降、AEが付いたLeicaを越えた?とも言われたMマウントのKONICA HEXAR RFや、バルナック型のⅢf、Lマウント・Mマウントのレンズの数々。
当然のことながら普段使いのカメラは、Leicaシステムが中心になっていったのである。
フィルムカメラのボディは上記の通り、M4、Ⅲf、HEXAR RFの3台だが、デジタルはLeica M TYP240にRICOH GXR+Mount A12というヘンタイカメラでもLeicaのレンズが使用できる。
レンズは資産と考えると、もはやLeicaシステムに集約してもいいのではないか?
街歩きのスナップはLeicaしか使用していないし、Leicaが苦手なテーブルフォトはGR2があれば充分である。
コンパクトさを追求するのであれば、Ⅲfが一番手に馴染む。
もう以前のようにフィルムカメラの予備にデジカメも!という2台体制で臨まなくとも、手元にはフィルムカメラ一台でも動じない程度にはフィルムカメラに馴染んでいるのである。
残るは以前勢いで入手してしまったNikon FとNIKKORレンズである。
これは、まぁ〜気分転換に一眼レフ!という場面もあろうかと...(^^;)ハハハ。
レンズはマウントアダプター噛ましてLeica M TYP240でも使えるし(笑)
ということで、Leica L、MシステムとNikonを残して、あとは全て買い取ってもらうことにした。
昔からモノ保ちがいいといわれるだけあって、モノの程度が良かったらしく、全て上限価格で買い取りに!
予想していた以上の収入に心も財布もホクホクなのである。
しかし、Leicaを中心に整理したところでフト気付く。
これだけ夢中であるにもかかわらず、ボクは肝心のLeica社に一銭たりとも御布施していないのである。
ボディもレンズも全て中古だからだ...(^^;)ハハハ。
『いつかはLeica』が現実になったとはいえ、ホントーの意味では、Apple製品を求めに銀座のApple Storeに行くが如く、ちゃんと銀座のLeica Shopに行って、現行のボディ・レンズを購入してLeica社に御布施をしないことには、恐れ多くて『いつかはLeica』が現実のモノになった!などと嘯くことは出来ないのかもしれない(笑)
と、そんな懸念はとりあえず置いておいて...。
さてさて、この軍資金でOld Leicaなレンズやアクセサリーを物色しようではないかっ!!(笑)