以前に比べていろいろなソースから情報収集を図っているからか、今年はいってみたい写真展がそこかしこで開催されていて、週末はなにかと忙しい(笑)
コロナ禍以前の状況はよくわからないが、コロナが明けたことでそこかしこで写真展が開催されてのこの感じなんだろうか?
あ゛っ!?という間に2023年も半分が過ぎ去ってしまい、7月最初の週末に訪れたのは四谷四丁目のメイブル花上。
相変わらずパッと見こんなところにギャラリーあんの?という感じだが、前回疑心暗鬼ながら訪れた実績があるので、今回は一抹の迷いもなく到着(笑)
前回は5月の下旬に隣のギャラリーヨクトで開催された喜多研一氏の『GROUND RESUME台東区版』を観に来たついでに、ギャラリーニエプスの『SOMETHINGNOIZE三人展 街拍:香港』に入ってみたのでした。
あれからほぼ一ヶ月半後の7月最初の週末。
期間は2023年7月1日(土)〜7月9日(日)と短い期間でしたが、ギャラリーニエプスでは『桑原甲子雄写真展 昭和6×6』開催されていたのでした。
ギャラリー内には30点のRolleiで採られた6×6の写真が四面にぐるりと配置されており、いわゆる写真展の正攻法的なレイアウトなんですよね。
前回訪問時の『街拍:香港』の時はもっと荒々しく、コラージュ的な張り方や、サイズの大小で動きを創り出していて、いかにもまだ若々しさが迸っているような演出をされていたので、同じギャラリーでも写真の配置の違いでこうも差異を感じるモノか!?とちょっとした驚き。
桑原甲子雄というと、以前木村伊兵衛や土門拳あたりの昭和の子どもを写した写真集を買い漁っていたときに、こちらの『東京下町1930』を購入して知りました。
1930年代というとまだボクの父母も生まれていない時代ですが、この写真集に撮られている路地の光景などは父の実家の路地の光景にとても似通っていて、ここ数年ボクが路地に惹かれる理由でもあるこの過去の記憶の中の路地との類似性から是非間近でそのプリントを見てみたいと思っていたのでした。
写真集の中でも一番気になっていた、この築地からお台場行き新橋行きの渡舟場の写真が展示されていたのでラッキーでした(笑)
1937年に撮られたとのことなんですが、こんな時代にわざわざ渡舟でお台場までなんの用事があったんだろう?
ギャラリーに入ると見覚えのある方がいらっしゃっていて、その場では解らなかったんですが、家に帰ってあ゛っ!?と思って調べたら、今回のこの『桑原甲子雄写真展 昭和6×6』を開催するにあたって、オリジナルのネガからプリントされたのが中藤毅彦氏で、その本人が在廊されてたんですね。
しかも、中藤毅彦氏はギャラリーニエプスの代表でもいらっしゃるということで、まだまだこの世界知らないことばかりで...(^^;)ハハハ。
そしていまだに梅雨も明けないのに40度近くまで気温が上がった翌々週の7月第三週の週末はなかなか馴染みのない祐天寺へ。
以前偽『東京いい道、しぶい道』で一度訪れたことありましたね。
今回の展示にちなんでボクもElmar 3.5cmを付けたLeica M9-Pで一枚パ写リ!
今回久々に祐天寺を訪れたのはこちらのPAPER POOLさんで開催されている『Elmar 3.5cm展 2023』を鑑賞しに参ったのでした。
昨年はこのエルマー展を知った時にはもう終了していて、図録だけ購入してたんですが、今年はちゃんと開催情報を事前に入手してたんで、現地へ。
ちなみに左は今年の図録で、右は昨年の図録でございます。
この図録の作り込みもなかなかのモノで、勇姿による写真展のレベルを軽く越えたムック本並の出来映えなのです。
当然のことながら、展示される写真とその他の写真もすべてLeitz Elmar 35mm f3.5で撮られた写真のみ。
トリミング以外はなにしてもいいという条件のようで、皆さんひたすらノーマルに、もしくは一捻り加えた作品が展示されておりました。
今風だとすぐアポズミだのズミルックスの最新モデルだのと、なんでみんなそんなに簡単にこんな高いレンズ買えるんだろ?というくらいにLeicaレンズが蔓延してますが、そんな中でのなんの変哲も無いElmar 3.5cm。
なんの変哲も無いレンズが映し出すなんの変哲も無い写真?と一概に言えるかというと、ズミクロンとなにが違うの?というくらいの写りを示すのが不思議なレンズでございます(笑)
そんな祐天寺でなかなか見応えのある展示を見た後は、流れで渋谷へ。
渋谷ヒカリエで開催されている『ソール・ライターの原点 ニューヨークの色』を観に訪れたんですが、副都心線からヒカリエにどう繋がっているのかさっぱり解らず、仕方ないので地上に出てウロウロ...(^^;)ハハハ。
この辺、たまにしか来ないのに来るたびになんか変わっているので、ホントキラいです(笑)
この辺りでなんかイヤな予感がし始めていたのですが......
祐天寺から渋谷へ向かう途中で、このソール・ライター展は事前予約が必要みたいなことをBunkamuraのHPに書いてあったんで、わざわざ事前予約してから向かったんですが、このチケット売り場の行列.........
でもまぁ、予約してるし予約時間にも間に合ったからよしとしようかと、並んでチケットを購入して会場に向かったのです。
入口から入場するやいなや大きなスクリーンに映されたスライドショーでお出迎え。
なんかここ数年こういう手法が増えてますよね。
でも、多少ハァ〜ハァ〜したのはここまでで......
メイン会場にはいるやいなやこの混みよう......
一体なんのための事前予約だったんだろうか?と疑問を感じざるを得ません。
もうこの最初のコーナーの混雑具合ですっかりまともに観る気を失いました。
これで1,800円て一体どうなんだろ?
ソール・ライターのプリントの展示はほとんどがモノクロ。
モノクロのストリートスナップはそれはそれで素晴らしいモノなのに、あの混みようでは小さなプリントはほとんど観ることも出来ず...
そもそもタイトルに『ニューヨークの色』とか謳っておきながらカラープリントの少なさはいったいなんなんだろ?
とかなりイラつきながら次のコーナーに向かうとこちらはほぼカラーでした。
それもそのはず、このコーナーはファッション誌の誌面の切り抜きはほとんどなので、そらぁ〜カラーですよね...(^^;)ハハハ。
その次はソール・ライターが写真以上に力を注いだと言われている油絵のコーナー。
最後はかなり大きなスペースの左右両面を大きなスクリーンでスライドショーをひたすら流すコーナー......
ボクはソール・ライターのプリントを観たくて来場したンだけど、一体この見世物はなんなんだろうか?
こんなスライドショーを見せられるために1,800円も出したわけじゃないンだけど。
以前こんなことを言っていたソール・ライターも今回のこの展示を見たら一体どう思うのだろうか?
さらにイラつかせてくれたのは、今回の展示に関して特に図録は用意していないということ。
よくわからない、ただのソール・ライターブランドのためだけのポスターマガジンなるモノが新たに販売されたということなので、購入してはみたがだからなに?という感想でしかない。
Bunkamuraのソール・ライター展も今回で3回目ということだが、そもそもなんでソール・ライターにあんなに一般客がおしよせているのか意味が解らない。
女性誌を中心にお金かけてプロモーションでもしているのだろうか?
図録を残さないというのも、Bunkamuraの姿勢としてこの展示をストックする気が無く、フローとして消費することしか興味が無いとしか捉えられない。
ちゃんとキュレーションしたのであれば、それを何らかの形で残すべきだと思うのだが。
ソール・ライターの作品に対してこの主催者側の態度はこれでいいのだろうか?
けして、ソール・ライターの作品がどうこうというつもりはない。
でも、こんな形で必要以上に注目を浴びるようなやり方で集客だけを目当てに開催するようなことを続けることで、ソール・ライター自身の正当な評価がしばらくの間日本では歪められるのではないか?という危惧だけが残る後味が悪い展示だった。
そんなこんなで気分の悪い展示で前日は終わってしまったので、本日は気分転換というかFBでの『傍流写真同盟』のメンバーでもある三部さんが写真展を開催しているというので、神宮前へ!
もう、体感40度越えてるんじゃないか?というくらいの照り返しの中、汗だくになりながら到達したのはギャラリー装丁夜話さん。
ギャラリー装丁夜話は木多マンションの1Fなんですが、古そうなマンションですが、場所柄か中は御覧の通りレトロな配色で気分がアガります(笑)
表の入口から入って一番奥がギャラリー装丁夜話でした。
こちらは今回の『サンベヤソヒコ展 写真日誌 光陰』のポスターですね。
本日は三部さんも在廊されていて、改めてご挨拶させていただきました。
なんか毎日傍流写真同盟で写真を眺めてお互いいいねしたりしているので、改めてご挨拶というのもなんか奇妙な感じでしたが...(^^;)ハハハ。
今回は三部さんの写真に詩人の平岡さんが言葉を寄せた展示になっているので、三部さんの写真のストーリー性がさらに高まっているように感じました。
一見なんでもない日常の一辺を切り取ったかのように見える三部さんの写真。
でも、ボクはその独特の感性に基づく色使いと色の連なりがもたらすちょっとした違和感に、日常のようでいて非日常のような物語を感じます。
会場では今回の展示作品をコンパクトなサイズにまとめたミニ写真集が販売されていたので、本日の成果物としてお持ち帰り。
改めてキンキンに冷やした部屋で写真と言葉を眺めています(笑)
そろそろ日中彷徨くのは危険かな?と思うくらいの猛暑が始まっておりますが、まだ活きたい写真展がいくつか残ってるんですよね...(^^;)ハハハ。
でも無理すると熱中症になりかねないんで、気温と相談しながら判断しようと思います(笑)