春先のコロナ禍以来、毎朝のうちの小春さんのお散歩がてらに朝写ンする機会が増え、以前に比べると日々カメラを手に取る機会が増えたのです。
こちらがボクのおもちゃ箱スペース。
無印の白いケースから溢れ出ると、うちの相方さんになにされるのか解らないので、できるだけ使用したらケースに収めて、ケースから出ているモノは普段使いしているカメラだけにしている。
気がつくと、夏からこの数ヶ月はこちらの2台だけがずっとこのスペースに鎮座坐している。
デジカメのEpson R-D1sにフィルムカメラのKONICA HEXAR RF。
特に狙ってこの2台を使い続けていたわけでもなく、手頃なボディでLeitzの小さなレンズで気軽に持ち出せるセットというくらいで、手持ちのデジカメとフィルムカメラからチョイスしたらいつの間にかこの2台のどちらかを持ち出すようになっていたのです。
なので、何の気なしに使っていただけのこの2台ではありますが、ある日ケースの上の2台を眺めていたら、突然運命じみた共通点を見出してしまったのですっ!?
実はこの2台、90年代から始まるレンジファインダーカメラ再評価にともなうLeica狂騒曲に翻弄されたレンジファインダーカメラであるということっ!!
それぞれが、出るか出るか?とLeica雀が待ち望んだLeica M7、Leica M8が出る直前にそれぞれのLeica M型よりも高性能でこの世に誕生した迷機なのですっ!!
といってもカメラ好き、いやレンジファインダー好きでもない限りどぉ〜でもいい話ですけどね...(^^;)ハハハ。
まずはこちら。フィルムカメラのKONICA HEXAR RF。
実は以前はブラックボディの普及版を持っていたんですが、一度手放して最近また新たにお迎えした限定版。
このKONICA HEXAR RFが発売されたのは1999年。
この時代、Leicaはまだ1984年に発売開始したLeica M6を取っ替え引っ替えバージョンを変えながらロングロングセールを重ねていた時代。
流石に発売開始後15年も経ち、そろそろ内蔵露出計だけではなく、絞り優先AEなLeica M7が出るのではないか??とLEICA雀たちが姦しかった頃合い。
そんな出るか?出るか??の期待に反して一向にLeica M7が出てこない中、ついにM型ファンの期待を背負って発売されたのがこのKONICA HEXAR RFなのです。
このシンプルな軍艦部はまるでクラシックスタイルな今どきのデジカメの様!!
パッと見違和感を感じるのはフィルムカメラなのにこのシンプルさはなにっ!?という点。
フィルムカメラも最終地点に辿りつつあった20世紀末。
このKONICA HEXAR RFは本家LEICAのM7を待ち望んでいた誰もが想像していなかった粋まで辿り着いてしまったのです。
絞り優先AEによる露出の自動化は当然のこととして、なんとフィルム送りの全自動化!?
フィルムをボディにセットすると自動的に巻き上がり、その後はシャッターボタンを押す毎にフィルムが自動的に送られて、撮り終わると自動的にフィルムを巻き戻してくれるというフィルムの全自動化を実現なのです。
さらにはシャッタスピードの最速が1/4000と、本家LEICAではフィルム時代のM型ではついにM7でも達成できなかった性能なのです。
が、90年代に始まるLEICA狂騒曲の流れに乗り、本家よりも先により高性能なMマウントレンジファインダーフィルムカメラを世に送り出したKONICAも2003年にはミノルタとの経営統合、その後も生産を続けたモノの2005年にHEXAR RF生産終了と共にKONICA のカメラは終焉を迎えたのでした...(遠い目)。
もう一台はデジタルカメラのEpson R-D1s。
Mマウントレンズが使えるデジカメは数知れず。
それでも何故かデジカメでMマウントのレンズを使いたいときに手に取ってしまうのはこのEpson R-D1sなのです。
そんなEpson R-D1sが発売されたのは2006年。
このR-D1シリーズの初代R-D1が発売されたのは2004年。
この時代、LeicaといえばまだのらりくらりとフィルムカメラのLeica M7を売り続けていた時代。
カメラという機材がフィルムカメラからデジタルカメラに移行し始めていたこの時代、そろそろデジタルなM型LeicaとなるであろうLeica M8が出るのではないか?とLEICA雀たちか姦しかった頃合い。
そんな出るか?出るか??の期待に反して一向にLeica M8が出てこない中、突然現れたのがEPSONプリンターの入力機の位置づけとして製造されたEpson R-D1だったのです。
レンジファインダーカメラの王道であるLEICAを差し置いて、世界初のデジタルレンジファインダーがプリンターのEPSONから発売されるというこの快挙っ!?
しかも、さきほどのKONICA HEXAR RFがフィルムカメラにもかかわらず昨今のデジカメのようなシンプルな軍艦部であるのとは真逆で、Epson R-D1sはデジタルカメラであるにもかかわらず、フィルムカメラの様!?
なにこれ?お飾り??と思ってしまいますが、デジタルなのにこのアナログ感満載なデザインからは、当時のEpson経営陣の懐の深さと技術陣の遊び心が滲み出ております。
先ず不思議なのはデジカメなのにわざわざシャッターチャージのためにフィルム巻上レバーを廻さないといけないという面倒くささ。それにアナログ針のクォーツの様なパネル。
とにかくデジカメなのになんでフィルムカメラの様な所作が必要なの?とよほどカメラを扱う面倒くさい所作が気にならない貴兄以外には受付ようはないであろう孤高の存在感。
このR-D1シリーズとしては2代目にあたるEpson R-D1sと同じ年である2006年に、本家LEICAはよぉ〜やくデジタルライカの初代となるLeica M8を市場に投入します。
片やEPSONは2009年にシリーズ最終バージョンのR-D1xを持ってデジカメ市場から退場していきます......。
センサーは両社ともにフルサイズとはいかずにAPSでCCDセンサー。R-D1Sに至っては解像度600万画素と今と比べてはなにそれ?おもちゃ??といわれそうですが、CMOSとは異なるCCDの写し出す画像は今に至ってもスナップでは魅力的だったりします。
たまたま今同時に使い分けて使用しており、目に止まったこの2台。
KONICA HEXAR RFは最後の世代のフィルムカメラであるが故に今に続くデジカメの様にできる限りの自動化とシンプルな操作性を突き詰めており、Epson R-D1sは世界初のデジタルレンジファインダーカメラであるにも関わらず、わざわざフィルム時代の面倒くさい操作性を踏襲しているというこの両極端な思想が、ともに本家LEICAへのリスペクトと、LEICAファンの期待と熱量、当時のKONICAとEPSONの技術陣の遊び心によって奇跡的に結実されたモノなんだなぁ〜と思うと、なんかこの2台がとても愛おしく思えてくるのです(笑)