日に日に消え逝く昭和の残滓。
そんな街中の光景に意識的に目が向くようになったのが平成が終わり令和が始まった2019年。
それまでも街中に残る昭和の残滓が気にはなっていたモノの、なんでこういう光景が気になるんだろか?
とは思っていた。
自分自身の深層心理というか最初の記憶の曖昧さをその後の知識で埋め直しているような行為がまさにこの昭和の残滓をもとめて彷徨い歩くことに繋がっているのでは?
なぁ〜んてなことを多少は真面目に考えながら街歩きをするようになったのが、平成から令和に切り替わる頃合いだったのです。
そんな中でというか今世紀に入り次から次へと都内から消えて逝く、戦後ヤミ市を発端とした駅前マーケットや駅前横丁。
その中でも数々の方々が被写体として納めている京成立石駅前の呑んべ横丁。
前回立石を訪れたのが2019年の秋口。その頃からすでに駅前再開発は始まっていた気がするし、この呑んべ横丁も無くなると話題に上がっていたにもかかわらずその後4年間。
無くなる詐欺かっ!?ともいえるこのしぶとさもさすがに今回ばかりは本当に無くなりそうだ!?との噂がSNS上で喧しくなり始めた梅雨明け後の初夏。
これを逃すと二度と呑んべ横丁を歩けないかもしれないっ!とついに4年弱ぶりに京成立石駅に向かったのです。
到着するやいなや、駅前は御覧の通りやはりかなり再開発が進んでいることにちょっとショック。
これはホントにマジで呑んべ横丁もヤバいかも!?
と足早に向かうと、横丁の線路側の通りにトラックが二台横付けにされており、これはまじで解体作業の準備かっ!?とビビったのでした...(^^;)ハハハ。
まぁ、結果は違ってたんですが、おそるおそる横丁を遠巻きにぐるりと外周を廻って、仕込み中の江戸っ子さんのところから横丁に潜入ですっ!
そんなに広くないエリアなので、ちょっと入り込むだけでもう雰囲気満載でございます。
まずはこの春夏秋冬さんの脇の路地を真っ直ぐ進みます。
すると『呑んべ横丁』のあの有名な看板!?
あ゛れっ!?どぉ〜やら通常ルートの反対側から潜入してしまったようです...(^^;)ハハハ。
名物看板を通り過ぎて、正しい方向から改めてパ写リ。
これまで一体何人、何百人の方がこの名物被写体にレンズを向けて写真を撮ってきたことでしょう?
日頃昭和の残滓を求めて都内各地を散策している身としては、メジャーすぎる被写体とはいえ、同世代に生きていたにも拘わらずこれを撮らずして解体されてはたまらんっ!?
ということで消え逝く前に再び立石にやってきたのでございました。
嗚呼、あなたに会えて良かった...(-人-)合掌。
現存する横丁として有名では或るモノの、今となっては狭い敷地の中で二筋しか残ってないんですよね。
その各筋でもおそらくやってるお店って一軒、二軒くらいしかないのではなかろうか?
でも、こういう戦後以来の歴史のある横丁に付きものの公衆便所はいまだにキレイに掃除されているんで、まだお客さんは呑んべ横丁の最後の最後の火が冷える日までいらっしゃるんでしょうね。
先ほどの筋を奥まで進んで振り返るとこんな感じ。
手前の居酒屋 波さんとか奧の春夏秋冬はまだまだ現役な感じですね。
こちらはもう一つの筋。
一番奥に宝来亭さんがあります。
宝来亭さんのドアのところにはテレビ撮影があったときの写真が貼られていたり。
ここ数年いわゆる温故知新な特集には必ず取り上げられてきましたね。
宝来亭さんに向かって歩いてきて振り返るとこんな感じです。
ちなみに、一番奥の出入口のところが先ほど線路脇でトラックが横付けされていたところで、解体工事では無く出入口にあるスナック?の内装工事をしていたようだというのが真相です(笑)
とりあえず、いますぐ解体という感じでは無さそうだということが解った呑んべ横丁の実地検分でございました(笑)
そして、立石までくる理由のもう一つがこちらの『高砂家』さん!
写真絡みでは唯一積極的に参加しているfbの傍流写真同盟のメンバーでもある向田さんの老舗鰻屋さん!
歴史ある個人店の鰻屋さんであるにもかかわらずコスパが高すぎるほどで有名なお店で、今回呑んべ横丁にいきがてら、絶対行くのだっ!息巻いていたんですが、店先には『仕込みのため休業いたします』の悲しいおしらせ...(T0T)号泣。
今年は土用の丑の日が7月30日。立石散策をしたこの日は28日だったンで、土用の丑の日に向けての仕込みで大変だったんでしょうね。
ということで、立石まで出向いた理由の一つが叶えられなかったんで、また近いうちに再訪せねばっ!
そんなこんなで高砂家に入れずに肩を落として、さてどぉ〜したもんか?とGoogleマップを眺めていると、全然記憶が無かったんですが東立石四丁目のエリア全体がまとめて行きたい場所に保存されており......
こういう印って、大抵SNSをみていて行ってみたいけど建物の名前がわからず、写真に写っている住所の標識を保存しているケースなんですよね。
ということでGoogleマップに保存された場所に向かってみると、ほっほぉ〜これは好物な感じ!(笑)
これでまだ住民が暮らしていたらスゴい物件なんですけど、ここは完全に廃墟ですねぇ。
ちなみに名前は立石荘とのこと。
ここは蔦が枯れきった冬に再訪してみるとまた今とは違った風情を醸し出してそうな気がします。
ということで東立石からまた駅の方に向かって、駅前の立石仲見世を再訪です。
以前訪れた時にはもっと飲み屋さんが連なっていた感じだったンですが、この辺りは完全にアーケード商店街ですねぇ。
こういうアーケードの脇路地に一般住宅が直結しているのが下町の商店街の面白さですね。
商店街を外れて脇路地を徘徊していると立石一丁目児童遊園に盆踊りの櫓が整備されておりました。
週末は商店街主催の盆踊りだったんでしょうね。
葛飾繫がりということで、この自動由縁にはキャプテン翼の銅像が設置されてました(笑)
そしてまた立石仲見世を通って京成立石駅前へ。
呑んべ横丁はまだ健在で、一度は撮っておきたいという願望は叶いましたが、残念なことに高砂屋さんのうな重が食べられなかった...(; ;)ハラリ。
ということで、近いうちにまた立石詣でをすることは確定いたしました!(笑)
後日談。この7月最後の週末の立石詣での週明け、立石在住の元部下と話をした際にどうやら呑んべ横丁は8月末で営業停止で解体が始まるとのこと...(; ;)ハラリ。
虫の知らせだったのか、ホントに最後の最後で在りし日の呑んべ横丁に出会うことができました。